笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字800は「準」。日本は国際的に安い水準に成り下がった

今日の漢字は「準」。準備、基準、標準、準急、準決勝。

  

   「 安いニッポン」を読み、日本は本当に安い国に成り下がったのかと愕然とした。

   世界のディズニーランドの大人1日券の比較でいくと日本8200円、フロリダは14500円、パリ、上海も1万円超え。香港でも8500円。

    結果として日本は世界で最も安い水準だという現実がある。

 

    となると、日本人はさぞお得感を享受していると思いきや、インタビューに答えた日本人家族の父親は、「交通費も含めると1人1万円以上かかる。入場料も年々高くなっていて、滅多に来られるのではない」という。東京ディズニーランドは6年間で2000円値上げして今の水準になったものの、世界水準には到達していないのである。

 

    日本はすっかりデフレ経済が染み付いてしまった。要するに企業が値上げなどで価格転嫁するメカニズムが破壊され、値上げができない企業は儲からず、儲からないから賃金が上がらず、賃金が上がらないから消費が増えず、そして物価が上がらない悪循環に陥っている。価格を上げられないがために、人手不足が続いても賃金が上がらない。新興国はそうならないよう、日本を反面教師にしているという。

 

    日本は20年間、物価はほとんど変わっていない。一方アメリカの物価は20年間、ほぼ毎年2%ずつ上昇してきた。しかも賃金は3%上がっている。だから日本人が久しぶりにアメリカに行くとすごく物価が高くなったと感じるし、逆に日本に来た外国人は昔よりも相当安く感じる世界になっている。

    デフレ日本の象徴がステルス値上げ。要するに内容量をこっそり減らして価格を据え置く方法。ポテチやえびせんなどはこの手でどんどん内容量が減っている。ある大手コンビニでは、いかにおにぎりを小型化してコストを削減するか、そのため技術者は残業してまで小さなおにぎりを試行錯誤し、開発。しかし消費者は全然喜ばず、「こっそり小さくしている」と陰口を叩かれる始末だとか。企業や労働者が報われないことをやる悲しい日本の姿が見える。

 

    結果的に賃金が上がり、物価が上がり、企業活動が活発になり、世界企業とまともに戦うためには、やはり物価が上がっても売れる社会傾向にシフトチェンジするしかないのか。バブルの頃はインフレが当たり前で、スーツも普通に5万円台くらいが一番の売れ筋っだった。値上げの途端に消費が冷え込むのが常態化してしまうと、企業は挑戦心を無くす。おいしいものには材料費をかけてでも高いチョコレートを作る外国企業と、高いと売れないからと中途半端なチョコレートしか作れない日本企業を比較し、将来性はどちらが高いかと言われると、間違いなく前者である。人材もそういうところに集まる。おにぎりの価格を抑えて少量化する発想では、日本企業で働きたい人材が集まるとは思えない。これには荒治療かもしれないが、外資の参入で競争が促され、高くても売れる外国企業の商品が物価上昇を牽引し、それに日本企業も追随する構造改革があり得るかもしれない。それくらいドメスティックな争いではデフレは永遠に脱却できないと思ってしまうのである。

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準備万端という習慣はなかなか身に付かない