笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字798は「短」。北海道の短い夏を楽しもう

今日の漢字は「短」。短所、長短、短足、短絡的。

 

    暑さに弱い北海道人。連日真夏日に閉口気味。先日北見では全国一の暑さの37度を記録した。暑さ寒さも彼岸までというが、北海道の場合はせいぜい暑いのはお盆までなので、お盆まで耐え凌げば涼しい秋が待っている。何とも短い夏である。毎年真夏でも30度を超える日は早々ないから、たまに真夏日になると、「もー勘弁してくれ」と一気に暑さを呪うことになる。現金なものである。

 

    そんな夏の札幌の風物詩に大通公園ビアガーデンがある。昨年はコロナ、今年は東京五輪のマラソン競技のため、ビアガーデンは開かれないが、例年公園内に巨大なビアガーデンが設置されてビール党の喉を潤す。開催期間は7月下旬から8月中旬のわずか3週間ほど。全くもってつかの間の夏を楽しむかのような、ちょいビアガーデンなのである。

 

    ここのビアガーデンの巨大さは、5つのブロックごとにビール会社が出店していること。要するにひと区画を一つのビール会社が占める。キリン、アサヒ、サントリー、サッポロ、プラス世界のビール。だからお客はどこのビール会社のビールを飲むか選択できる。客席は各ブロック500席以上あるから、どこでもチョイスできると思われがちだが、何と言ってもビアガーデンを待ち望んだ札幌市民が大挙して押しかけるから、どこもかしこもすぐ満席になる。だから会社帰りにビアガーデンで1杯を目論むと、夕方終業ベルと同時に若手社員がダッシュして場所取りすることも行われた。そして、あとから行く連中は途中のデパ地下で総菜を買って、悠々と現地で合流するのがお約束であった。

 

    涼しい気候の中で満天の星の元ビールを飲むのは心地よい。と言いたいところだが、さにあらず。涼しければまだいいが、時に寒いことがある。大概7月は25度くらいの気温なのだが、時に20度を下回る日もある。そうなると寒くてビールなど飲んでいられない。ビアガーデンには、雨よけにドーム型のテントと、風よけのビニールがサイドに張られたスペースがあるが、お客はあまりの寒さにそこに避難しながらちびちびビールを飲む。東京から敢えてこの時期に出張し、張り切ってビアガーデンに行ったものの、あまりの寒さにすぐ退散し、ススキノに向かうという笑えない話もあった。汗をふきふきビールをのむ本州のビアガーデンとは事情が違うのである。

    そんなビアガーデンもお盆前には撤収される。市民からは、「もっと営業してほしい」という声は毎年寄せられが、そもそもビアガーデンは大通公園という公園敷地に臨時で設営しているもの。法律の制約を受けてそう長いことは営業できないようで、至極残念である。あっという間に終わるからこそ、「短い夏に集中して飲もう」という気分になるのかもしれない。来年こそはビアガーデン復活となってほしいものである。

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短期的視点よりは長期的視点を持ちたい