笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字は786は「人」。元○○な人を探そう


今日の漢字は「人」。人間、人数、善人、大人、若人。

 

    元〇〇という言葉がある。元カレ、元カノ。元先生、元医者のように、〇〇に職業が入る場合もある。

    会社員は、すべての人間が定年退職と同時に元サラリーマンとなり、それだけ見るとなんてつまらない人生だったのかと愕然とする。かと言って元犯罪者や元ヤクザではシャレにもならない。そんな元〇〇な人との邂逅について。

 

    とあるマラソン大会で、某一部上場企業のグループ会社に勤務するランナーとたまたま雑談することがあった。その人は実業団のマラソンチームで活動している人。招待選手として大会に参加していた。よくよく聞くと、箱根駅伝常連校出身で、正月の箱根駅伝でランナーとして走ったことがあることが判明。それを聞いた瞬間、凄い雲の上の人に見えた。元箱根駅伝ランナーは、社会的名声も高い一大ブランドであるし、仮に実業団チームで活動を継続せずに一般企業の就職を求めたとしても、就職活動では引く手あまたなのだろうと感じた。

 

    元プロ野球選手。子供が野球少年団にいた頃、有料の野球教室を受けた。その指導者は元プロ野球選手。

    さすがに教え方は、的を得ていてうまい。その方と雑談した際、過去所属していたプロ野球球団の話に。その指導者はヤクルトスワローズで現役時代プレーしていた。そしてその時の一軍の監督は野村克也氏。

私「野村監督の教え方は、理論中心で難しいのではないですか」

指導者「難しすぎて何言っているか全然理解できなかった。中国の古典の言葉を引っ張りだして説明するのだけれど、高卒の俺にはさっぱりわからなかった」と苦笑していた。

野村ID野球の裏には、高度な人生訓があったのかもしれない。

 

    元自衛官。と言っても予備校時代の浪人生。友人の友人ということで話をしたことがあった。要するに高校を卒業して自衛隊に入隊したが、1年で辞めて予備校に入り直し、大学受験を目指していた。1年間体を鍛えていただけあって胸板はもの凄く厚い。二の腕もふくらはぎくらいあるのではないか。とにかく頑丈だった。「毎日どれだけ筋トレしたかわからない。頭は全く鍛えていないけどね」と自虐的に笑っていた。

 

    元国会議員。先生も当選しなければただの人。現役の際は多くの支援者が米つきバッタのように先生に媚を売っていたのに、落選すると手のひらを返すように人が離れていく。あれだけ威張っていたセンセイも、後ろ盾を無くすと威張る相手もいなくなり、心なしか元気がない。体も一回り小さくなったような気がするから不思議だ。日本で一番元気な高齢者は国会議員というのが私の持論だが、その看板や肩書が取れてしまうと一気に老け込む。だから当選を何回も経験し、大臣など要職を歴任した大御所は、選挙では絶対に負けられない戦いで挑む。元議員という言葉を一番毛嫌いするのが大御所の先生なのだ。

 

    人生後半で、サラリーマン以外の「元○○」がある人と無い人では、人生そのものの充実感が全く違うのではないかと感じるこの頃である。

 

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人間万事塞翁が馬