笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字779は「強」。男が弱くなったのか、女が強くなったのか

今日の漢字は「強」。強力、強敵、強壮、強盗、強情。

 

   女性に向かって「俺について来いという」男性は今や絶滅危惧種。今時の男は女々しい。今は女性の方がしっかりしている。インターンシップなどで会う学生たちを見ていても、女性ははきはきして元気でしっかりしているが、男はみんな大人しい。とある学校の先生は、十中八九が「女子の方が圧倒的に優秀だ」とのこと。サラリーマン社会では、これから女性社長が増えていくのは間違いない。

 

   昔は強かったお父さんが、定年が近づいてくる頃にはヘタッてきて、「以前は格好良かった父があんな姿になって」と子供たちから幻滅される。そのあとは女房に世話を頼る世界は何なのかと疑問を呈される。

 

   昔の男は、妻を専業主婦にして家に居させて外で働けないようにした。それは高度経済成長で給料は右肩あがりで、妻が働かなくても十分生計が立てられたというのもあるし、税制上の優遇措置もあった。

 

   女性は家庭と育児を任され、夫を支えて家庭を守ることに専念させた。女性は家事全般や、趣味でお茶やお花を習った。要するに男社会に追従して生きる女性を養成するためのシステムを作り、そこに多くの女性を押し込めることで男性社会を成立させてきた。男もその社会システムに胡坐をかき、「飯、風呂、寝る」といいだけ威張って過ごしてきた。そして妻に大事にされることに対し「自分は女房に大事にされるのだから、自分には価値がある」と実感してきた。それが女性の社会進出とともに、男が女から大事にされなくなり、だんだん家庭での存在価値が薄れてきている。「おいお茶」に対し、「お茶など自分で煎れて」と切り返されるのがオチである。

 

    女性の方が生き物として強いというのは、男の方が染色体のパターンがあとから付け替えたことによって生まれてきたため、安定性が弱く、生物としての生命力が弱いとのこと。ある科学者の仮説によると、男の方が弱い分、頭を回転させて理念を作り上げたり、理論が達者になったりしたのではないかという。女性は現実的に楽しむが、男性は空論理論や妄想するのが得意だったり好きなのは、染色体によるものではないかという説である。確かにノーベル賞は男性ばかりだし、哲学者も男しかいない。頭を使ってひたすら考えるのは男ばかりであり、あながちこの説は間違っていないのではないかと思う。

 

    今の男性で「俺が守ってやる」「俺が死ぬまで愛する」という昭和のような男性はいない。尾崎豊長渕剛のように、無骨で強く逞しく、女性が憧れるような男性像は流行らず、女のようになよなよしたアイドルたちが人気を席巻する世の中がそれを象徴している。逆に「自分のことを好きなのか?」と男性が女性に確認するくらい日々男性は女々しくなっている。

 

    本来男が弱かったのに、社会システムで男性が強くなるように仕向けた時代が終わり、本来の姿に戻っただけなのかもしれない。狩猟時代から稲作の農耕社会、武士が幅を利かせた武家時代、そして兵隊として国を守る、高度経済成長期にはモーレツに社畜のように働いて家族を支える。常に男が先頭に立って活躍してきた時代が終わると、男の活躍の場がどんどん失われていく。男に元気がなくなり、子孫を残そうという気力が失われて、少子化がますます進むではないかという危惧は、男が相対的に弱くなり、女々しくなることに原因があるのではないかと思ってしまう。

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強欲な人は嫌われる