笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字769は「河」。河川に想いを馳せる

 今日の漢字は「河」。河川、河口、河岸段丘、運河、黄河、河口湖。

 

    今さら言わずもながだが、日本は河川に恵まれた国である。国土の7割が山岳地帯であるから、河川が多いのは当然。しかしその豊富な水のおかげで飲料水には事欠かないし、米などの農作物も自給できる。さらには水力を利用した発電もできるから、河川による恩恵は計り知れない。

 

    さらに、山々の森林から染み出したミネラル豊富な水が河川を通じて海に流れ込むことにより、海の養分が豊富になる、そして多くのプランクトンが生まれ、多くの魚が棲む。多様な魚を獲って食べられる日本人の食生活を豊かにする好循環を生んでいる。これだけ多くの魚を食べられるのも、黒潮など海流の影響もあるが、河川がもたら豊富な栄養分のおかげである。

 

    河川はまた、台風による増水や氾濫という魔のチカラも生み出し、そのたびに行政や河川管理者が批判され、悪者にみられがち。しかしそれを除けば、総じて多くの恩恵をもたらすことの方が多い。

 

    ただし、日本のような河川は世界的には稀であり、世界中を見渡しても、ほとんどは大陸を悠々と流れる長い河川が多い。高校の地理で必ず教わる世界三大河川、アマゾン川ナイル川ミシシッピ川などは何キロにもわたって水は悠々と流れる。

 

   何かの縁で一度タイから来ている外国人と河川の話になり、話題はタイ国を流れるメコン川とメナム(チャオプラヤ川)に及んだ。そのタイ人曰く、日本は洪水や河川氾濫が頻繁に起きるが、タイではまずないという。なぜなら流れが長大であるために、たとえ河川の上流で大雨が降っても、下流までは相当の距離があるから、水位はじわじわとしか上がらないとのこと。彼の住むバンコクにはチャオプラヤ川が流れているが、いつ水位があがったのかわからないほど、大雨の影響は微々たるものなのだそうだ。

    大河は幅が広く長いので、日本のようにいきなり水量が増えることはない。氾濫など起こしたことがまずないという。

 

    それを聞いて確かに日本は河川の距離が短く、幅も狭いので、大量の雨が降ると、鉄砲水のような急流となって平野をかけ巡り、町を破壊する。行き場のない川の水は、堤防を突き破ってしまうのである。他国との比較で考えると、日本の国土はいかに急峻な山岳に囲まれているか、よくわかった。

 

    大都市のみならず、平野部には必ず何らかの河川が流れている。川釣りをする人以外、普段は全くその存在に気づかず、大雨が降って初めて、川の水は大丈夫かとなる。毎日山の水をせっせと海に運ぶ河川のけなげな姿に重いを馳せ、豊かな恵みをもたらす河川に感謝したい。

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