笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字740は「虎」。猛虎再び

今日の漢字は「虎」。虎退治、竜虎、虎視眈々。

 

    猛虎の代名詞である阪神タイガース。今年は投打がかみ合い、首位快走中である。

  30年来のタイガースファンとしては、これまで数々の煮え湯を飲まされているだけに、ペナントレースが終わるまでは信用できない。最近はAクラスが多いが、私が激しく応援していた1990年代は万年Bクラス。春にスタートダッシュに成功しても「春の椿事」と揶揄され、いずれ落ちてくるとして笑いの種になるほどであった。その頃は、優勝は夢のまた夢。名将野村克也氏を監督に迎えてもなおBクラスから脱出できない、まさに暗黒時代であった。

 

   タイガースが強くなり始めたのは2002年に星野氏が監督になってから。優勝した2003年、そのあと岡田監督となった2005年の優勝以来、常勝軍団となった。

 

   しかし、残念ながら15年以上優勝から遠ざかっている。阪神球団は資金力もあり、活躍数値の高い外国人選手やドラフトで有能な選手を取っているが、なかなか優勝に届かない。

 

   その原因を私は球場にあると思っている。

 

   甲子園球場は、グラウンド規模はとても広い。いわゆるホームランの出にくい球場である。しかもこの球場は浜風といってライト側からレフト側に強い風が吹く。この独特な球場をホームゲームでやる以上、本来は投手を中心とした守りと、足を絡めた機動力を武器に野球をやるべきだと個人的には思っている。しかしそれができないのは、タイガースファンが黙っていないため。大阪のタイガースファンは全員が監督をできるくらい、野球にうるさい。スモールベースボールの戦術を掲げようものなら、批判の大合唱が起きるのは必至。ファンは外野スタンドにつきささる特大ホームランや、乱打戦など、とにかく攻撃を望む。1985年優勝時のニューダイナマイト打線の呪縛から逃れられず、大味でも面白い試合を期待するのである。だから落合監督の下、広いナゴヤドームスを利用してスモールベースボールで優勝したドラゴンズの戦術は絶対に認めないのである。

 

   だからどうしても右バッターのスラッガーを求める。古くは田淵、新庄、八木、新井、今は大山。タイガースにとって右の大砲を育てるのは永遠のテーマである。

 

   今年はドラフトの目玉、佐藤輝明が入団。ホームランを量産し、今のところ、ドラフト1位の名に恥じない活躍をしている。ただ風に逆らうホームランを打てるかどうか、過去には掛布、桧山など、日本人の左の大砲は数えるほどしかいない。歴史と人々の記憶に残る選手となるのか、楽しみである。

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虎の威を借りてはいけない