今日の漢字732は「交」。ボードゲームは社交的ゲーム
今日の漢字は「交」。交流、交通、交差、交代、交際、交渉。
テレビゲームが全盛期の中、じわじわと人気が広がっているものにボードゲームがある。
日本で有名なのは、超定番の人生ゲーム。私の小学生の頃からあるから、ロングセラー商品である。お正月に兄弟や従兄弟たちと遊んだことを思い出す。正月に遊ぶゲームとしては、この人生ゲームと黒ひげ大作戦が双璧をなすと思うが、最近は人生ゲームも吉本の芸人が登場するものや、SNSの評価ですごろくが進むなど、バラエティ豊かである。
そんなボードゲームは国内外に数多くの種類があり、大人数で遊ぶのにどれがいいか、なかなか悩む。
私が相当前に買い、スキーツアーの夜の二次会で盛り上がったゲームがある。
その名は「スコットランドヤード」。
イギリス発祥のゲームが日本語版で出ていたものを、おもちゃ屋で購入した。
怪盗をイギリス警察が追いかけるもので、怪盗のひとりは、ロンドン市内の地図上の路線図を、地下鉄、バス、タクシーを使って逃げる。4、5人の警官はチームプレーで同じく交通機関で追いかけるシンプルなゲーム。犯人は1回出没したあと、次の出没の機会まで潜航する。しかし毎回の移動で何に乗って移動したかは情報開示されるから、警官たちは地図上でどの乗り物に乗ってどこに移動したかをチームで推理しながら、怪盗を包囲すべく手持ちの交通チケットで移動する。
面白いのは、何回目かに怪盗が現れるステージがあるが、警官が想定していた場所と全く違った場所に現れると、警官はパニックに陥る。5人のプレイヤーがいると、怪盗はひとり、警官4人となるので、怪盗は誰にも相談できずひとり孤独である。一方、警官チームはワイワイガヤガヤ推理しながら進め、「そろそろ追い詰めるぞ」などと刑事まがいのことを言われると、怪盗はドキッとする。怪盗のいる駅に警官が辿りつけば、警官の勝ち。警官側の手持ちの交通チケットが無くなれば、怪盗の勝ちとなる。
概ね警官が勝つが、ギリギリの包囲網をすり抜けて怪盗が勝つ場合もあり、スリル満点で楽しめた。
残念ながらこのゲームは、引っ越しの時に棄ててしまったが、今そのゲームをしたら盛り上がったことは間違いない。
人生ゲームは飽きるほどしたが、このように普段やったことのないゲームをすると、大人数で盛り上がるし、脳の活性化にもいいような気がする。
国内最大級の専門店を運営する「すごろくや」の丸田氏によると、対人で遊ぶボードゲームでは、勝つことよりも大切なことがあるという。同氏曰く、「ボードゲームの一番の魅力は、全員が「やるなあ」と言いながら和気あいあいと楽しめること。そのためにはみんなが支え合って場を形成する必要があり、そういう意味でボードゲームは「小さな社会」である」という。だからこそボードゲームは大人が楽しめる社交的なゲームであるといえよう。