笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字730は「博」万博ってどうなのか

今日の漢字は「博」

  所ジョージの「笑ってこらえて」の番組に、ダーツの旅というのがある。目をつむって日本地図にダーツを当て、当たった地域を訪問するもの。そんな試みを、手持ちの辞書でやってみた。

   私の手元にあるのは、「漢字ときあかし辞典」(円満寺二郎著)。常用漢字をすべて記載してあり、私の「笑顔漢字」のネタ本となっている。

 

   そこで目をつむって適当にめくって鉛筆を差したところの漢字をチョイスしてみた。

 

   出てきた漢字は「博」(は行)。この字はまだ登場していないので、博について考える。

 

   博士、博学、博覧会、博覧強記、柳生博布施博

   博覧会というイベントがある。博覧会には、大別して国際博覧会地方博覧会がある。

   

    国際博覧会、いわゆる万博といわれるイベントは、日本では過去、大阪万博1970、沖縄海洋博1975、つくば万博1985、大阪花と緑の博覧会1990、愛・地球博2005の5件開催されている。特に1970年の大阪万博は6000万人もの来場者があったというから、どれだけ凄かったのか、想像もつかない。その大阪では、2025年に「大阪・関西博覧会」の万博が開催される。

 

    一方、地方博覧会は1980年以降、各地で開催される。それは1981年の神戸ポートアイランド博覧会が大きな成功を収めたから、右に習えと各地方の経済活性化の起爆剤として計画・実施された。それはバブル景気と無縁ではなかった。私が知るだけでも北海道21世紀博覧会1982、天王寺博覧会1987、世界・食の祭典1988、なら・シルクロード博覧会1988など雨後の筍のように開かれた。

 

   私がちょうど新入社員の頃にあったのが、札幌市で開催された「世界・食の祭典」。北海道の一次産業の活性化を目指し、食を通じて人間と自然、日本と世界をつなぐとしてアピールしたが、思惑とは裏腹に完全に失敗に終わる。

 

    私は当時、地方にいたので、札幌に出張した際、食の祭典の会場に足を運んだ。しかし世界の料理が漫然と並んでいるだけでとりたてて特徴がなかった。その時は中華料理を食べたが、別にどうということもなかった。祭典とは名ばかりの中途半端のコンセプトで、案の定、来場者に飽きられ、会場は閑古鳥が鳴くありさま。入場者は目標の400万人を大きく下回る90万人の惨状であった。(参考:ウイキペディア)

    その時は開催を進めた知事の責任を問う動きもあったが、結果的に何もなく終わった。今も北海道の歴史に燦然と輝く道行政最大の汚点として記憶されている。

 

   その影響があったのではと言われているのが、東京都が計画していた都市博覧会。1996年の開催を目指して準備を進めていたが、バブル崩壊や多大な税金投入に批判が噴出。コメディアンの青島幸男が都市博中止を公約に挙げて知事に当選するなど世間の耳目を集めつつ、都市博は無事中止に追い込まれた。

 

    1980年代は、「夢の21世紀がやってくる」という大義名分があった。科学技術の進歩で人間はどれだけ幸せに暮らせるのかと、人々は夢を膨らませたし、その予兆はあった。しかしバブルが崩壊し、低成長時代になるにつれ、科学技術だけが人間を進歩させるのではなく、かつ人間が思うように社会が成長・成熟するものではないことに気づいた。その21世紀は、逆に人間のエゴを減らし、どう地球と持続的につきあっていくかという発想に変わった。おそらく2025年の大阪万博もそうした人類と動植物・地球との共存をテーマに、環境重視の将来像が語られるのではないかと思う。

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博打をしたいとは思わない