今日の漢字721は「恵」。日本は意外と恵まれた国
今日の漢字は「恵」。恩恵、最恵国待遇、恵比寿、上沼恵美子、恵方巻き。
ミャンマーのクーデターに反発する市民が、政権を取った軍により鎮圧されるばかりでなく、銃撃まで受けて死者が相当数発生している。最近までは香港の民主化運動で毎日のようにデモ抗議がなされたが、中国政府に制圧されてしまった。
これらのニュースを見るにつけ、民主主義が根付いている日本はやはり捨てたものではないと思ってしまう。政権を交代させたければ、選挙という合法的な手段がある。武力で政権を奪取することもないし、デモで覆す必要もない。香港、中国には民主主義に基づく選挙制度がないから、体制を変えたければデモしかないのである。日本もつい10年前に選挙で政権交代という経験をした。結果としてその時の民主党政権は迷走し続け、国民の期待に応えることができなかったが、民主主義という制度はきっちりと機能した。ほかにも直接民主主義としての首長のリコール制度もあるから、国民が本気で政治を変えたいと思えば、変えることのできる下地はある。極めて大人の国だと思う。
政治は三流だとか、国際外交がなっていないとか、忖度政治だとか何かと批判を受ける自民党政権だが、国が転覆するようなことはない。
「右肩下がりの君たちへ」で佐藤優と古市憲寿の対談でおもしろいことを言っている。
古市「日本は「希望がない」、「右肩下がり」と言っていて、確かに少子高齢化は大きな問題だけど、少なくとも今の日本は意外とうまく回っている」
佐藤「国としてまとまっているから、政府がいい加減でもなんとかなってしまう」
古市「一時期、総理大臣が毎年変わっていましたが、それは言い換えれば日本が、リーダー不在でも社会が回るくらい成熟した社会である証拠ですね」
要するに社会制度がしっかりしているから、少し政府が頼りなかったとしても、国民がまあまあ満足できる生活が維持できている。重要法案を審議しなければならないのに、モリカケだ、総理の息子の接待だと、本筋とは関係ないところにいくら時間を割いても、社会が転覆しないことがその証左である。
古市氏はノルウェー滞在中の経験で、1年前に起きた洪水でふさがった道路がずっとふさがったままだったという。行政にしつこく言わないと道路さえ補修されないのである。日本なら直ちに行政が対応して道路を補修する。災害が多い国ということもあるが、それもこれも基本的な社会制度がしっかりしているからである。
世界には、選挙に投票も行けず、民主化さえされていない国もあるし、ちょっとした道路補修もできない国もある。そんな国と比較すべきではないにしても、日本は本当に恵まれた国なのだと改めて思わざるをえない。(感謝ししたいところだが、政府や行政に感謝するのは癪なので、あえて感謝という言葉は使わないが)