笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字700は「郎」。月9は金太郎飴になっていないか

今日の漢字は「郎」。野郎、女郎、新郎、河野太郎

 

    昨日、月9について書いたが、書き足りないので第二弾。別に連続ドラマが好きというわけではないが、「半沢直樹」や「麒麟がくる」のように、時として私のストライクゾーンに来る作品もあるからばかにできない。こうして月9の変遷を見ていると、芸能界の浮き沈みも露わになってくるから面白い。

 

   月9はもう30年以上も続いているが、歴史を紐解くと、平均視聴率の歴代1位は「HERO」。2001年1月期で34.3%。主演は木村拓哉。一方歴代最低平均視聴率は、2018年1月期の「海月姫」で6.1。芳根京子主演。2010年以降の平均視聴率データを見ると、20%超えがほとんどないから、今はドラマ冬の時代ともいえる。

 

   主演を張った役者で今も活躍する人は多数いるが、名前を見なくなった芸能人も多い。

 

    牧瀬里穂は1992年10月期「二十歳の約束」で稲垣吾郎と共演。最近はすっかり見かけなくなった。石田ひかりは1993年10月期「あすなろ白書」で筒井道隆と共演。姉の石田ゆり子はアラフィフ女優としてブレイクしたが、妹の動向を最近聞かない。その筒井道隆もしばらく見かけなかったが、この前ドラマ半沢直樹の弁護士役で久々に見た。

 

    同じひかるでも西田ひかる。1994年4月期「上を向いて歩こう」で舘ひろしと共演。1995年7月期「いつかまた会える」の桜井幸子福山雅治と共演。さらに10年以上飛んで2007年1月期「東京タワー」では香椎由宇。そんな人いたかの世界。上記の方々はおそらく芸能界を引退したり、活動を停止したり、結婚したりでいつしか人々の記憶から忘れ去られた。

 

    芸能人は人気商売であるがゆえ、飽きられるとあっという間にテレビから消えるから賞味期間も短いという恐ろしい現実がある。

 

   中川右介氏によると、月9ドラマの性質上、俳優のキャスティングは最重要との観点から、人気俳優は2年先までそのスケジュールを押さえられていたという。いわば当時はキャスティングありきのドラマ制作で、脚本はその俳優が演じることを前提に書かれていたという。それほど当時は「どの人気俳優が出るか」がドラマがヒットするか否かのメルクマールだったのだ。ドラマの内容よりも、世相を反映して活躍する主演男優、主演女優に若者が共鳴し勇気づけられるという、いわば共感力に訴えていたような気がする。

 

   その意味では、ロングバケーション(1996年4月期:29.6)ラブジェネレーション(1997年10月期:30.8)、HERO、プライド(2004年1月期:25.1)と軒並み高視聴率を叩き出した木村拓哉の功績は大きいし、トレンディドラマ全盛期のヒーローだったともいえる。

 

   最近ドラマがなぜヒットしないかを検証することが多いらしいが、どれも金太郎飴に陥っていないかの視点も必要かもしれない。似たようなタレント、俳優ばかりではすぐに飽きられる。ドラマをそもそも見ない私が批判するのも何だが、半沢直樹ノーサイドゲームのように、シナリオが面白くかつ個性的なキャラクターが活躍するドラマは話題にも上るし、視聴率が稼げる。キャスティングにこだわらず、いいドラマ、面白いドラマを見たがる潜在需要はあるし、どこかに金の鉱脈が眠っているとも思われ、テレビ局にはワクワクするようなドラマを期待するのである。

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坂上二郎はいいコメディアンだった