笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字689は「徴」。アイヌ民族共生象徴空間「ウポポイ」に行ってみた

今日の漢字は「徴」。特徴、徴収、徴候、徴兵、追徴課税。

 

    アイヌ民族共生象徴空間、通称「ウポポイ」に行ってきた。

   昨年4月にオープン予定ではあったが、新型コロナウイルスの関係でオープンが夏にずれこみ、出鼻をくじかれた格好の、アイヌ文化を後世に残す国立博物館。一説によると300億円をかけた施設だけに、かなり良いものが見られるのではとの期待を込めて訪問した。ウポポイはアイヌ語で「歌う」の意味。また、ウポポイのPRアンバサダーにはAKB48坂口渚沙が務めているようだが、私は彼女のことは知らない。

 

   時期は3月初旬のとある日曜日。春が近いとはいえ、積雪がまだ50センチほどある札幌を出発し、向かった先は白老町。ウポポイのある胆振白老町は、苫小牧から車で30分ほど西に向かった先。てっきりここも積雪があるのかと思いきや、積雪ゼロ。北海道でも太平洋側は雪があまり降らない。まるで本州に来たかのような錯覚を受ける。

 

   博物館2階の展示スペースは、コロナウイルスの入場制限で事前予約が必要。ネットで予約した13時に入口でバーコードをかざして入場。しかしお客はまばら。冬の北海道の観光施設はどこもこんなもので、おそらくコロナウイルスがなければ、今頃インバウンドのアジア人観光客でごった返していただろう。展示説明は、日本語、英語、中国語、韓国語とバラエティーに富んでいる。

 

   展示スペースは学校の体育館のように広い。ディスプレイはゆったりと配置されていて、見る人はストレスなく展示物に見入ることができる。アイヌ人の祖先はどこから来たのか。チセという家屋ではどんな生活を営んでいたのか、祭りや食生活など、民俗風習を詳細にみせていく様は、なかなか勉強になる。アイヌ民族についてしっかりと学べる施設は今まで道内には無かったから、次世代教育にもいいと感心。しかし記載されている内容は、我々大人が見てようやく理解できる内容であり、子供には少し難しい。展示スペースをゆっくりと見て歩くのは大人ばかりで、家族連れの子供は飽きたのか、暇そうに椅子で休む姿が散見された。子供向けのクイズなどがあれば、子供も楽しめるのだろうが、そうしたディスプレイはない。ターゲットが完全に大人になっているところが、いかにも国立博物館であり、その点が残念であった。

 

   しかし、その後訪れた踊りを見せるホールでは楽しめた。ここでは、アイヌの民族衣装を着たスタッフがアイヌ語の歌を歌いながら踊りを披露。どの時代、どの民族もこうした踊りはあるものだ。踊りを通じて自然の恵みに感謝する姿勢は、民族は違えど、同じ人間なのだということを考えさせる。

 

   賞味2時間ほどの見学であったが、十分楽しめる内容であった。日本は単一民族などと国会議員や大臣が間違った発言をするたびに注目を集めるアイヌ民族。まさに共生の名が示す通り、アイヌの方々が築いた文化を尊重し、後世にしっかりと伝えていく役目があることを再認識したのであった。

f:id:laughing-egao:20210402215911j:plain

一人一人の特徴は千差万別