笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字665は「害」。引き際を誤ると老害になる

 今日の漢字は「害」。公害、害悪、危害、災害、損害、殺害。

 

    引き際を間違えると老害になる。 

    世阿弥「五十有余。この頃よりは大方せならで手立てあるまじ。麒麟も老いては駑馬に劣る」

   第一線を退いたならば、自分はきれいさっぱり引退する。特に頂点まで昇りつめた人でそれができるという人はなかなかいない。社長経験者もいつまでも顧問などで残るケースが多い。某人気野球球団の元監督も終身名誉何某と持ち上げられているが、何年も前に野球界から身を引いているのに、未だにそんな言い方をしているのが不思議でしょうがない。定年退職しても○○会社元社員といい続けているようなものである。未だに一線を退いていないとでも言うのだろうか。それともプロ野球界の功労者としてのマスコミの忖度なのだろうか。王貞治さんは普通に王さんと紹介されているが。

 

   このように極端な例は別としても、引退せずともいつまでも会社や役職にしがみつく人がいる。自分は働いていることが生きがいなのだ。生きがいというご説もごもっともなのだが、後進や後輩の成長というところに目が向いていない。その当事者が引退しない限り、後輩はそのポストに就けないわけであり、ふんずまり状態となる。本人は余人をもって変え難しと思っているのだろうが、人材が活性化しない組織はいずれ衰退する。実力が全てのスポーツ界と比べ、サラリーマンは明確な基準がない。組織が新陳代謝をしながら生き残っていくためには、老害で悪影響を与える人は潔く身を引く決断力も大事なのである。

 

   老害というのは、自分はそろそろ引退する世代なのに、現役にしがみつき、相変わらず偉ぶり、まわりの若手の活躍を妨げること。

 

周りではこんな声が囁かれる。

「あの人はいつまでやり続けるつもりなのか」

「そろそろ後進に道を譲ってほしいのだが」

「その言葉を胸に、誰が猫に鈴をつけるのか」

「本人に直接辞めろとは言えないだろう」

「そんなことを言ったら逆ギレられるぞ。暴走老人になるかもな」

 

   そんな会話があちこちの現場から聞こえてくる。しかも定年延長や70歳までの雇用機会延長が叫ばれる昨今、重要ポストを離そうとしない「ポストしがみつき人間」も出てくる。特に余人を持って変え難しと本人が思っている場合は要注意である。

 

   会社は家庭でも家族でもない。趣味サークルや老人会でもない。仲良し倶楽部でもない。

   各人が各々の部署で業務を行うことで、利益を追求し、その利益の分け前を皆でもらう、そのために見ず知らずの人が集まった組織にすぎない。それ以上でも以下でもない。

 

   引き際を美しくが理想。たとえ組織から身を引く形になったとしても、ネガティブに考えず、次の人生を楽しく生きるのだと思えば、いつまでもしがみつく理由はない。結局自分の人生は会社や組織や他人が決めるのではなく、自分が決めるのである。

f:id:laughing-egao:20210309194454j:plain

災害は、忘れた頃にやって来ない昨今である