笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字659は「合」。間合いについて考える

今日の漢字は「合」。合計、混合、集合、合格、適合。

 

  間合いというのがある。会話の間合いとか、漫才の間合いとかがある。

   

   スポーツの間合いで代表的なのは相撲。立ち合いの間は、一瞬の緊張感が走る。特に横綱と対戦する小兵力士(舞の海や炎鵬)が土俵中央でにらみ合う際、はてどんな技が飛び出すかわくわくする。その一瞬の間合いが相撲ファンにはたまらない。

 

   お次は野球。1点負けているチームの9回裏ツーアウト満塁の場面。抑えの切り札と4番バッターの対戦となると、観衆やテレビの視聴者は、対戦の行方を固唾を飲んで見守る。投手と打者の心理的かけひきがあり、その間合いを楽しめる。

 

   サッカーでいえば、フリーキックペナルティキック。サッカーは基本、ボールが止まることがないゲームだから、止まって蹴るこの瞬間の間合いは何とも言えない。PKの場合は、蹴る方も相当のストレスを感じるだろう。決めて当たり前のPKだけに、外した場合の失望は、見ている以上に本人の方が大きい。

 

   100メートル走のスタート。ピストルでの号砲がなる瞬間の間。0コンマ数秒の世界だが、この瞬間はたまらない。オリンピック陸上競技の最大の華である100メートル走のウイナーは、ウサインボルトを見るまでもなく、その後の人生を大きく変える。たかだか9秒の勝負ながら、スタートがうまくいくかどうかは大問題。フライングせずにギリギリのタイミングで飛び出す選手たちの緊張感も半端ないものであろう。

 

   間合いがある会話は講演会。ひとりで1時間以上しゃべる講演家も大変だが、あるベテランの講演家が言うのは、間で敢えて自分に注目させるテクニックを述べていた。

   それは、沈黙の間を作ること。講演が始まって何分かすると、どうしてもだれてくる。聴衆も聞くことに慣れてくるし、船を漕ぎ出して寝る人もいる。そこでそのベテラン講演家は、わざとスピーチを辞める。すると聴衆は、「あれっ」と思い、講演者をじっと見る。「言葉が出てこないのか」との疑問形が湧き出す。あるいは寝ている人は、声が聞こえてこないから、これまたあれっとなる。この間が講演家の目指すところで、敢えて沈黙を作ることで、だれた空気を締め直し、再度自分に振り向かせるためにわざとそうしているという。高等テクニックではあるが、講演の時にもしそのような間があれば、空気を換えようとしていると睨んで間違いない。

 

   素人は会話やプレゼンで間合いを作るというのは勇気のいることで、なかなか実行できないが、うまく使いこなせば、注目度や印象度は随分と違う。池上彰は間合いの取り方が絶妙にうまいと言われており、テレビでその行動を注視して、真似してみるのもいいのかもしれない。

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人生で合格する体験は何回あるのだろう