笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字647は「詰」。仕事には生き甲斐が詰まっている

 今日の漢字は「詰」。詰問、難詰、大詰め、缶詰、詰め将棋、煮詰まる。

 

    仕事には生きがいがいっぱい詰まっている。

    定年退職から何年も経つのに、いつまでも昔の肩書にこだわっている人がいる。

 

    夫婦の満足度を調査すると、夫の満足度が高ければ妻の満足度も高く、夫が低ければ妻も低いとほぼ一致する。しかし唯一一致しないのが、社会的評価。社会的評価の満足度は妻が圧倒的に低い。

   

   人は社会的動物であるので、社会的評価がほしい。しかし社会的接点のない専業主婦は、満たされない。一方で、夫は仕事を通じて社会的評価を得ることができ、生きがいや満足感を与えてくれる。

 

    しかし夫は定年退職と同時に社会的評価と生きがいは得られなくなる。

   この時に社会貢献をしよう、趣味に励もうと次なる目標を持てる人は良い。

    しかし先のことを何も考えなかった人や、会社に未練を残しながら退職した人は社会的評価と生きがいの喪失に直面し、戸惑い、過去にしがみつく。

 

    サラリーマンの退職後の生きがい調査では、定年退職後に最も幸福度が高かったのが起業した人、2位が他の会社に再就職、3位が同じ会社に再就職、4位が完全に退職した人たちであった。

 

   仕事ほど生きがいがたくさん詰まったものはほかにないのである。

    定年後の生活には、仕事のように大きな社会的評価や生きがいを得られるものはほとんどない。

    そのために自分なりの新たな目標設定ができなかった人は、何をやってもつまらないと感じてしまう。

 

    社会貢献も趣味の活動も、人から勧められてやったのでは、満足感は得られない。「こんなことはくだらない」「オレはこんな人間じゃない」と不満ばかりが募り、現役時代の肩書に引きずられてしまう。

  

   かたや妻は家事や子育てにかける時間を減らし、外に出ようと努力する。趣味やサークル活動、地域のボランティアに精を出し始める。それにより次第に社会的評価で満足感が出る。そんな中、定年退職した夫が家にいると、妻はその世話を拒否する。

 

    会社時代は課長の妻で社会評価があったが、定年と同時にその評価がなくなる。

    定年後の夫婦関係では、夫は「妻と一緒にいる時間を増やしたい」と答える人が多いのに対し、妻は「一人でいたい」と答える人が多いのである。

 

   仕事には、目標を達成したときの喜びや仲間意識、地位と報酬による評価、必要とされることからくる自己効力感など、自分の存在価値を認識する、生きがいとなるものがたくさん詰まっている。しかしこの社会的評価は定年退職と同時に失われるものであることを、我々は認識しておいた方がいいのである。

 

    何らかの形で仕事をして、その会社から感謝される、ボランティアに取り組む、人に何かを教えて感謝されるなどの行動にスムーズに移行できれば、社会的評価を失わずに済むわけであり、早いうちからその準備をしておき、定年退職と同時に慌てないことが肝要なのかもしれない。

f:id:laughing-egao:20210218202938j:plain

男女の距離が詰まるのは良い