笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字646は「偵」。探偵の現場は修羅場なのか

 今日の漢字は「偵」。探偵、偵察、密偵、内偵。

 

   身近な知人が浮気をしているという噂が立ち、周囲は色めき立ったが、ガセであることがわかり、ほっとした経験がある。

 

    そんなことから、向学のため「探偵の現場」(岡田真弓著)を読んだ。

    総合探偵社のMRという会社が、探偵の実務や浮気の実態、不倫調査などの生々しいレポートをしている。

いくつか実態報告をしたい。

 

    探偵の仕事の7割(77%)は不倫調査。それ以外は素行調査7%、人探しが8%、結婚相手の調査が8%と、不倫調査がほとんどを占める。

    その不倫調査の依頼動機については、「事実をはっきりさせたい」(35%)、「不倫相手をとっちめたい」(40%)、「有利に離婚したい」(10%)、「いつでも出せる切り札を手にしていたい」(15%)

 

    なお、不倫調査の依頼人は、2003年当時は圧倒的に妻からの依頼が多く、男性からは1割程度だったのが、その後の女性の社会進出が進むにつれ、夫である男性からの依頼が急増。今ではおよそ4割になっているとか。不倫は時代につれて変化するものなのである。

 

    不倫相手との関係では、職場の上司が50%、先輩が31%、同僚が12%。不倫といっても実は富裕層の男性ではなく、ごく普通のサラリーマンが少なくない。それは社内で異性と親しくなれる環境が整いすぎているのがある。業務を通じていつでも異性と知り合うことができたり、仕事の悩みを分かち合ったり、心と心をつなげる要素が盛りだくさんなのである。

 

    風貌について。愛人は妻よりブスが多いそうだ。一般的に不倫相手の容姿が妻より優れているから、夫を篭絡していると思いがちだが、現実はまるで違うらしい。ブスな不倫相手は、ブスゆえに相手から好かれた経験がなく、深い関係になった相手に対して心から全力を尽くすという。常日頃から不満を抱いている夫に至れり尽くせりで接する女性は、たとえブスであろうと、男性は情が移ってしまうようである。

 

    探偵を困らせる不倫調査とは何か。

   第3位は調査対象が双子の場合。不倫相手が双子のどちらかという場合は、かなり要注意である。

   2位は同業者の探偵が不倫している場合。同業者だけに尾行、張り込みはすぐにばれてしまう。その場合はあらゆる修羅場を経験したベテラン探偵が担当するという。

   第1位は警察官。警察官の不倫相手は同じ署内の女性警察官であることが多い。これは、不倫が揉めたとしても世間に出ることはないから、危機管理意識の表れだという。しかも警察官への尾行はすぐにバレる。通常の調査の何倍もの労力がかかり、難儀するという。

 

    不倫をする人の年齢について。40代が38%と圧倒的に高いのだが、60代以上も12%いるから、驚きだ。しかも60代以上でみた場合、2008年度はわずか0.3%だったのが、2018年に12%と大幅に増加。わずか10年で40倍に増加している。百年長寿時代を迎え、それだけ年配の方がお元気だということの証なのだろう。

 

   最後に本は締める。探偵の業務は、世の中の裏側に潜む非日常の世界を観察し、人間の不条理な真実にアプローチすること。そして人々の営みに、正解というものはなく、その人が選んだ生き方が幸せであれと願いサポートするのも探偵の大きな仕事だという。

   こういう業務が成り立つのも、それくらい人間の欲望があちこちで渦巻いているということの証左に他ならない。

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薬師丸ひろ子の「探偵物語」が懐かしい