笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字644は「転」。スポーツの大逆転劇は醍醐味がある

今日の漢字は「転」。転換、回転、転落、転倒、自転車。

 

    スポーツには大逆転という醍醐味がある。

    ユーチューブで大逆転と検索すると、数々のスポーツ競技の大逆転勝ちがアップされている。

    プロ野球の0-9からの逆転や、サッカーの0-4からの逆転、バスケの残り1秒で、リングに向かって投げたボールが偶然リングに吸い込まれる大逆転、2度ダウンしたのに、乾坤一擲のフックでダウンを奪うボクシングなど、見ていて楽しい。贔屓のチームにしてみたら痛快この上ないが、負けたチームからすると悔やんでも悔やみきれないやるせなさが残る。今年のお正月の箱根駅伝も、駒澤大学創価大学を残り2キロでうっちゃるという大逆転劇を演じたが、本当にスポーツは「筋書のないドラマ」だ。スポーツで感動できるのは、何が起こるかわからない予測不能性と、大逆転というドラマを作る選手の根性、諦めない姿勢と精神力、一方で大逆転された側の敗者の苦悩と絶望感が極めて人間的に映り、それらが見る人に大きな共感を与えるからである。

 

   大逆転された苦悩と失望感のダメージがとてつもなく大きいことは、とても身近なのだが、40年近く前の我が母校のスポーツ大会に遡る。

 

    学年を超えたクラス対抗で、さまざまなスポーツで順位を争い優勝を決めるスポーツ大会は、学校祭とならんで当高校の一大イベントだった。当時私は、部活生ではなかったが、バレーボール競技に参加。3年生のわがクラスのチームはバレー部経験者(部活者はメンバーになれないから、経験者以下に限る)が3人もいて、優勝候補筆頭。私自身バレー部の経験はないが、運動神経が比較的よかったことからレギュラーとしてセンターを任されていた。1年生、2年生組を次々と蹴散らかし、決勝は同じ3年生のクラス。向こうはバレー部経験者がおらず、我々の圧勝が予想された。

 

    当時バレーは15点先取。2セット先取の3セットマッチで行われ、1-1で迎えた第3セットも10-2。我々はあと5点で勝利であり、優勝は決まったかも同然であった。

   しかし、相手チームのタイムアウトを機に、我らチームがミスを連発。そうなると向こうに超ファインプレーが飛び出すなど、流れは完全に向こうに。あれよあれよという間に12-11となり、なんと我々チームはこから4連続ポイントを許し、大逆転負けをくらったのであった。

 

   優勝間違いなしと言われていただけに大ショック。試合後はチームのメンバーと茫然とするしかなかった。敗因は100パーセント慢心。負けるはずがないという驕りの気持ちが気の緩みにつながり、逆に向こうは失うものはないとして、我々の闘志を上回ったのであった。

 

   つくづく流れというのは恐ろしい。よく甲子園の高校野球で解説者が「今流れは〇〇高校に傾いている」と言うが、本当に流れがある。バレーボールはその流れをタイムアウトで切るという行為ができるが、この時はタイムアウトで逆に流れが向こうに傾いた。

   たかだか高校のスポーツ大会ではあったが、その悔しさはいまだに脳裏に焼き付いているし、今までのどのプロスポーツの大逆転を見ても、これほどの悔しさはなかった。当事者でもこのような意識なのだから、実際プロの競技で大逆転負けをくらう選手の心情は並大抵なものではない。プロで活躍する選手たちは、そうした経験もしながらそれをバネにさらに強くなっていくし、悔しさを乗り越えて強靭な精神力も養った人だけが、大成するのではないかと思ってしまうのである。

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国会はいつも空転