笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字636は「調」。日本の同調圧力にどう抗うか

 

今日の漢字は「調」。調書、調子、調和、協調、調味料、絶好調。

 

   以前も書いたが、同調圧力とは、みんなと同じになりなさいという無言のプレッシャー。

 

    小学1年生ではランドセルを背負い、就職活動ではリクルートスーツを全員が着るのは、日本社会の同調圧力

    日本は同調圧力が強い。それは、日本は「世間」で出来上がっているから。世間とは、現在および未来、あなたと利害関係がある人たち。

 

    世間は、そこにいる人たちが、無意識に作りあげるもの。自粛警察も、その周りの人たちが、「コロナが蔓延しているのだから飲食店や居酒屋には行くな」という世間目線での同調圧力を与え続けている。

 

   都会から移住して農業をやろうとしたIターンの夫婦に対し、その村の掟を守らないようであれば、村八分にしたり無視する。これも明確な法律やルールはないが、その村の「世間」という暗黙の厳しいルールを押し付けている。

 

    西洋には世間はない。1年生になったら全員、何が何でもランドセルという無言の圧力はない。世間という、見えない強い集団が、人々を縛るということはない。

 

    西洋は世間の代わりに宗教、一神教という強力なルールがある。例えばイスラム教のラマダンは「コーランの教え」として、非常に強いルールで縛っている。神の教えは信者にとっては非常に厳しい。

 

    一方、日本人は無宗教と言われる。結婚式をキリスト教の教会であげて、神社に初詣に行き、お寺にお参りする民族。宗教的には無頓着だが、宗教に変わる強いルールが世間。

 

    世間からはみ出るようなことをすると、「けしからん」「とんでもない」という暗黙の世間のルールを押し付けてくる。

    「なぜランドセルは皆一緒に背負うのか」「なぜ真っ黒なリクルートスーツを着るのか」という疑問を持ち、それ以外の行動に出るのは勇気がいる。「俺は真っ黒なリクルートスーツは着ない」といって黄色のブレザーやストライプのスーツで就職活動したとしても、企業の採用担当者は、「そんな男は協調性がないヤツ」として採用されないだろう。

 

    この国はそれくらい「みんなと一緒」が小さい頃から刷り込まれているから、そこからはみ出ることには相当の自信と決意が必要である。

 

   「空気と世間」の著作があり、世間と社会の関係性に詳しい演出家の鴻上氏は、「あなたが「これが幸福だ」と思うことと、この国の同調圧力がぶつかるのなら、一度は戦うことも考えていいのでは」という。

     そして「ただし無理はしない。うまく戦い、強力すぎると思ったら、逃げる。世間はそこにいる人たちが無意識に作り上げるものなので、場所が変われば世間の強さの内容も変わる」として、世間にどっぷり浸かることに警鐘を鳴らす。

 

「NOと言えるニッポン」という書籍が流行ったことがあるが、世間の動きや流れに対してNOを言えるのか。NOと言えないのであれば環境を変えてみるのも手だと鴻上氏はいう。幸い一神教などの宗教と違い、世間は千差万別。水のように動きに身を任せたり、その流に抗ったりして、「思考はひとつでない」ことを理解し活動すればいいのかと思う。

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