笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字623は「鍋」。外国人との鍋パーティーには要注意

今日の漢字は「鍋」。鍋料理、鍋物、土鍋、鉄鍋、鍋島藩眞鍋かをり

 

   NHKBSの好きな番組にクールジャパンがある。

   コロナ禍ですっかりインバウンドが消滅した日本ではあるが、外国人が日本文化に物を申すこの番組は、今放送するタイミングとしては最悪なのだが、NHKはなぜか辞めることなく平然と再放送している。おそらく視聴率がそれなりにいいのだろう。

 

   先日の放送で、外国人が母国に持って帰りたい日本食がランキングで紹介されていた。日本に住んだ外国人が母国に帰る際にどんな日本食を持って帰りたいかを問うたもの。

 

   10位とんかつ、9位お好み焼き、8位デパ地下、7位霜降り和牛、6位鍋料理、6位鳥のからあげ、4位焼き鳥、3位お弁当、2位回転寿司、1位居酒屋となった。

 

   私が注目したのが、鍋料理。

   外国人と司会の鴻上尚史氏の会話の中で、鍋をする際、自分の箸で具材を突っ付くことに抵抗があるとのこと。我々には鍋文化が染み付いているから、じか箸は特に違和感はない。神経質な人は「他人の箸を通じた他人のつばを自分が飲む」という行為が許せないということなのだろうが、これは日本の常識が世界に通用しない一例だろう。その背景には、欧米では、料理は各々が自分だけの料理を食べるという文化があるとのこと。だからみんなでひとつの料理を突っ付いて食べる行為そのものがない。鍋自体は好きなようだが、突っ付き合うことに違和感を持つのだ。

    居酒屋では、鍋の取り分け専用の箸を置く店が多いが、普段我々は、自宅で鍋パーティをする際はそこまで気にしない。外国人がメンバーに入る際は要注意ということである。

 

   居酒屋が1位となったのは、先ほどの欧米の自分専用料理とは真逆の発想。いろいろな料理を皆で取り分けて食べるスタイルが外国人に受けている。それと比較的安いつまみ類がバラエティ豊かに用意されていることが人気の秘訣。お好み焼きと焼き鳥と刺身など、自分の食べたいものをオーダーし、相手と分け合いながら食べる行為は、いろいろな食べ物を試せるという点で好奇心を満たしてくれる。

 

    日本に住む外国人がインタビューで答えていたのは、自分の国には敷居の高いレストランか、お酒とちょっとしたつまみを食べられるパブの2極化した店しかないと嘆いていた。しかもレストランでは、食事ごとに飲む飲み物は決まっていて、「この料理にはこのワイン」などのルールがあるそう。だからいろいろなお酒とともに様々な料理が楽しめる日本の居酒屋は、外国人にとってパラダイスに映るようである。

 

    居酒屋は古くから続く日本の酒飲み文化の延長であるが、回転寿司のようにどこの国も真似できないような独自の進化を遂げる日本の食文化は世界と差別化できる大きな要素。インバウンド復活の暁には、ランキングにあるような日本の食文化がさらに世界に発信され、各国でそれらが広がることも期待できる。「世界に広めよう日本食の輪」が大きなうねりとなることを期待したい。

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石狩鍋は大好きだ