笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字620は「無」。イントロ無し曲のベスト曲は

今日の漢字は「無」。無理、無視、無口、無反応、無傷、無敵、皆無。

 

   イントロが無く、いきなり歌詞から入る歌はインパクトがある。

    作詞家、作曲家も、いきなり歌詞で入る曲づくりの冒険は、成功もあれば失敗もある。

    心を震わせる、イントロの無い曲について考えた。

 

    古くはピンクレディー。「ウォンテッド」。

    マイクをお互いの顔に差し出し、交錯して歌う姿が印象的だった。とにかくピンクレディーは常識を覆す突拍子もない曲や派手なコスチューム、子供が真似する振り付けで聴衆を楽しませる歌謡界の風雲児であった。ウォンテッドを歌うコスチュームも白のフルフリのミニスカートに鉢巻のようなものを頭に巻き、ウォンテッドと叫ぶ瞬間、「ガオー」と熊が吠えるように、熊手を前に突き出すフリが懐かしい。あの時代のピンクレディーの振付師は素晴らしい仕事をしていたと思う。

 

    中島美嘉「ORION」。

「泣いたのはー僕だったー」の透明感溢れる出だしの歌声はしっとりと聴かせてくれ、声量がずしんと心に響く。中島美嘉は好きなアーティストでアルバムも買った。「雪の華」も名曲である。彼女は最近今ひとつ活躍していないのが残念である。何かの番組で中島美嘉ライブコンサートが放送されていて、歌の合間のトークの折、客席から「カワイイ」と声がかかり、彼女はそれに対応し、「知ってる」と答えていた姿がお茶目だった。

 

   ウルフルズ「バンザイ」。

   カラオケで好きなだけ歌った。「バンザーイ」との出だしを聞いた瞬間、カラオケボックスに集うメンバーが全員盛り上がれるという類い稀な曲。とにかく元気になれるのがいい。途中のサビの部分で「バンザーイ」を歌えば、みんなで両手を挙げてバンザイしていたな。あーいい時代だったと思う。ちなみにイントロ無し曲ではないが、同様に盛り上がれる曲は奥田民生井上陽水の「ありがとう」。元気になれる2大歌謡曲だと思う。

 

   篠原涼子「愛しさとせつなさと心強さと」。

   出だしからフルアクセル。サビがいきなりアップテンポで入るこの曲の展開も素敵で、インパクト抜群。作詞作曲は世界の小室哲哉。彼の才能はやはり凄い。しかしそれ以上に心に残るのは、篠原の甘ったるい歌声。舌っ足らずで歌詞を間違えるのではないかと思える危うさが、逆に篠原の魅力を引き出すというパラドックスである。数々のドラマ主演のイメージが強く、彼女が唄を歌っていたことを知らない人も多いと思うが、私はこの曲が好きである。

 

    平井堅「POP STAR」。

    英語で始まるところが格好いい。高音程で聞かせるこの曲は、なかなか上手く歌えないからカラオケフリーク泣かせ。とてもハードルが高い曲である。しっとり聞かせる曲目が多い平井だが、珍しくアップテンポな曲で、意外性と彼のチャレンジ精神が垣間見られる。

 

    最後はホワイトベリー「夏祭り」。

    地元北海道北見市が生んだ、北海道民史上最大の一発屋一発屋でありながらこの「夏祭り」は、今でもカラオケで歌われる平成初期を代表する息の長い作品。JASRACでいまだに作曲者たちに著作権料が入っているのか気になるところである。中学生でデビューし紅白歌合戦にも出場したガールズバンドの栄光は、打ち上げ花火のように派手に弾けて散った。こういう明るく元気になる曲は、後世まで歌い継がれてほしいと思う。

 

    イントロ無し曲をカラオケで上手に歌うとヒーローになれるが、外すと痛い目に会う。しかし歌い始めの、静寂から始まる一瞬の間と緊張感がたまらないのもまた事実である。

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時間は無いのではなく、作り出すもの