笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字598は「誠」。会社に忠誠心はあるのか

今日の漢字は「誠」。誠実、忠誠心、誠意、愛と誠。

 

    「世界で一番、会社が嫌いな日本人」というのは、岡本純子(「世界一孤独なオジサン」)

 

     いまどきの日本人のサラリーマンの多くは、本当は自分の会社が実は「大嫌い」で、「不満タラタラの会社人生」を送っているらしい。

 

    それを如実に表すのが、世界的にみた日本人社員の「エンプロイー・エンゲージメント」の数値の低さ。

「エンプロイー・エンゲージメント」とは、企業と社員の関係性を示す言葉で、「社員が企業に対して、どれくらいの愛着やコミットメント、忠誠心、士気や誇りを感じているか」ということ。

 

    そういう気持ちを持つ社員が多ければ多いほど、企業の競争力は増し、高い利益を生み出すことができる。

 

    最近欧米では、「従業員満足度」のかわりに、この「エンプロイー・エンゲージメント」を重要な経営指標として掲げる企業が増えている。

 

    世界的な調査会社、ギャラップ社が調査したところによると、「熱意あふれる社員」の割合が日本では6%。アメリカ31% 東南アジアで19%。

また「やる気のない社員」は日本が70%の結果が出た。

 

    また、ある調査では、「会社に反感をもっている」「コミットしていない」と答えた人が33%と日本が圧倒的に高かった。

 

    さらに米国のPR会社の調査では、世界28ヶ国中、日本人は「世界で最も自分の働く会社を信用していない国民」という結果がでた。「自分の会社を信用するか」という問いに対して信用すると答えた割合はわずか40%。米国64%、中国79%よりはるかに低く、ロシア48%よりも低い。

 

    日本のサラリーマンは世界一、会社に不満だらけで、会社が大嫌いということらしい。

 

日本のサラリーマンが不幸である要因は何か。例えば、

長時間労働

・収入減もしくは低賃金

・閉塞的な企業文化

年功序列

・不適切な人材配置や活用

・硬直化した報酬・人事制度

・仕事そのものにやりがいを感じない。

   

    そもそも日本の会社員にまとわりつく「不満感」は、日本独特の雇用制度と大いに関係がある。世界的に見ても稀有な「終身雇用」や「年功序列」という独特の慣行以外に、もうひとつ特殊なのが「総合職」。

 

    普通はどの国も「営業」「経理」「IT」などの「職種」を限定し、その道のプロフェッショナルを雇用する形態が多い。

 

    しかし日本の会社は大卒総合職として入社すると、どの職種に就くかは会社によって決められる。職に就く「就職」ではなく、会社に就く「就社」となる。

 

    専門化の言を借りれば、日本では「多くの社員が自分で仕事を選べない。自ら望まない仕事においては、エンゲージメントが削がれがちにならざるを得ない」となる。

 

    自らキャリアパスを構築し、専門性を高め、成長に結び付けていくというのがグローバルキャリアの考え方の主流のなか、日本の場合は、やっと慣れてきたと思ったら次の部署への移動の連続となれば、真の「プロフェッショナル」はなかなか成長できない。

 

    明確なキャリアパスを示せない労働慣行が、会社に不満をもつ社員が増える温床になっている。

 

    また、プライベートと仕事をきっちりと分け、仕事は自己実現を求める場所と考える欧米に比べ、日本は、会社の滞在時間を長くし、会社の村社会にどっぷりと浸かり、会社に不満があってもキャリアチェンジして転職することがしずらい社会にあることが原因だと思う。

 

    ひとつの会社にどっぷりと浸かりながら、その会社にいることに大いに不満があるという日本のサラリーマンは不幸な存在なのかもしれない。

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嘘から出た誠はよくある話