今日の漢字592は「突」。突発性難聴になってしまったのか
今日の漢字は「突」。突然、突如、突撃、突入、煙突、猪突猛進。
歳を取ると耳の聞こえが悪くなる。
というのも、健康診断では最近、聴力検査がひっかかる。
右耳も左耳も高い音域のレベルが平均より低いようだ。
耳鼻科に行って調べてもらうと、「老化で自然と耳の聞こえが悪くなるので、何かの原因で聞こえずらい訳ではありません。もちろん薬の処方はありません。ただ、突発性難聴だと厄介になりますので、もし聞こえが突然悪くなったら、すぐに受診してください」と医者から言われた。
最近はテレビのボリュームを上げて聞くことが多い。元々父親は極度に耳が遠く、遺伝なのか、半分諦めムード。なるべく耳を刺激しないよう、イヤホンで音楽を聴くことだけは止めた。
とある休日。DAZNでJリーグを視聴している時、右耳がゴソゴソと耳鳴りがしだした。
例えれば、水泳で耳に水が入り、ツーンとする状態。しかし頭の位置を変えると、ゴソゴソが収まる。耳垢は普段念入りにめん棒などで回収しているので、耳垢が詰まっているということもない。
あーこれが突発性難聴か。耳たぶを押さえたり、頭を振ったりしても直らない。
今日は日曜日。月曜日まで我慢できないことはないが、今日の夜寝られない可能性もある。これは速攻病院に行くしかない。
新聞で耳鼻科の当番医を探し、その耳鼻科に電話した上で、車で30分かけて受診に赴いた。
受付で症状を聞かれ、「右耳の中がゴソゴソ鳴り、違和感があります。突発性難聴ではないかと思い、受診に来ました。突発性難聴になったらすぐ受診してほしいと別の耳鼻科で言われていたので、急遽来ました」と受付で話した。
待つこと5分。診察の順番がきて、女医さんが座る診察室の椅子に腰掛けた。
先生「両耳の状態をスコープで調べますので、じっとしていてくださいね」
耳の中にカメラ付の細い管が差し込まれた。
問題ない左耳、そのあと問題の右耳。
先生「あ~」
私「えっ?」
先生「カメラが写した映像を後ろのモニターで見てください」
私「?」
先生「良く見てください。鼓膜に髪の毛がつき刺さっているのよ」
私「髪の毛が刺さっている?」
モニターを良く見ると、確かに一本の髪の毛が見えた。
先生「髪の毛が鼓膜に刺さっているから鼓膜がゴソゴソいうの。今から髪の毛を取りますね」
私「あー。はい。」
宣誓「はい、耳を出してー。はい取れました。髪の毛はこれよ」
と言って2cmほどの小さい髪の毛を出した。
なんだか難聴かと思っていきり立って診察に来た自分がばつが悪かった。こうしたことは初めてであるが、まるで幼児が耳垢を取りに来たようで、周りの看護婦さんからも「しょうがないわねー」という感じが伝わってくる。
仕方なく、「こういうことは良くあるんですか」と矛先を変えた。
「よくありますよ。たまにこういうことが起きることがあるんです」と先生は説明。
私は恥ずかしい気持ちと安堵した気持ち半々で診察室を後にした。
紛らわしい髪の毛鼓膜刺さり事件。
あー突発性難聴でなくて良かったと、ほっと胸を撫でおろした次第である。