今日の漢字588は「際」。男女交際は日本と海外とでは随分違う
今日の漢字は「際」。国際、分際、水際、土俵際、際限。
「不安を楽しめ(鴻上尚史)」の本の中に興味深い記述があった。
演出家の鴻上氏は、NHKBSー1の「クールジャパン」の司会を長いことしており、外国人から見た日本文化がクールか否かを議論する番組。
その日のテーマは「恋愛」。
日本人の場合は、合コンなど集団で会ったのち、二人きりで二、三回会ってから、交際を始めるかどうかを決める。これがおそらく一般的だろう。
しかし欧米人は、「dating period」(デイティング ピリオド)を経て決めるという。
それは何だと鴻上司会者が外国人に聞くと、
外国人「何回かデートをして、お互いのことを知った上で、交際するかどうか決める期間だ」。
鴻上氏「それは日本も同じだ」。
外国人「このデイティング ピリオドの間は、何人とデートしても問題ない。逆に複数の人間とデートして、自分にぴったりの相手を見つける期間だ」。
鴻上氏「ということは、合コンとか集団で会った後、気に入った子が5人いたら、5人と同時並行にデートしてもいいのか?」
外国人「そうだ」。
鴻上氏「それで他の4人の女性は怒らないの?」
外国人「怒らない。自分も他の人とデートしているかもしれないし」と当然のように答えた。
鴻上氏「(おずおずと)どこまでのデートなの?」
外国人「相手のことを知るためには、セックスは当然でしょ」(これは男女の外国人とも平然と答える)
鴻上氏「デイティング ピリオドってセックス込み?同時並行で5人のデイティング ピリオドのお試し期間中に5人とセックスしてもいいということ?」
外国人「だって5人の中で誰かを選ぼうと思ったら、そうするしかないでしょ」。
さらに畳み掛ける鴻上氏「じゃあ女性に聞くけど、この人いいなと思ってセックスしたのに、相手がデイティング ピリオドで、他の女性を最終的に選んでも、怒らないの?やり逃げって責めないの?」
外国人「そういうものだから」(相変わらず平然と答える女性外国人)
鴻上氏「(ぽつりと)何て羨ましい文化なんだ」。
鴻上氏は考える。
日本人はエッチをするというのは、交際の始まりを意識することが多いが、(この人と交際してもいいと思うからエッチするわけ)欧米では、エッチは交際のスタートではなく、相手を知る行為の始まりだったのである。
鴻上氏「相手を決めたあとはどうするの?」
外国人「一人決めたら、他の相手には決まったとメールするか、もしくは自然消滅」とのこと。
最後に鴻上氏は締める。
「セックスは極めてプリミティブ(本能的)なコミュニケーションであり、何回かするうちに、相手の本性が出ることが多い。そういう意味で、セックスを数回経た後に交際をするかどうかを決めるという文化もありなのかもしれない」。
日本人からすれば異論噴出な海外文化だが、そういう世界があるということも知っておいた方がいい。外国人男性と付き合った日本人女性が「やり逃げされた」と後悔しないよう、そうした文化的背景で男女が行動するという理解も必要だと感じた次第。
いやー勉強になりました。