今日の漢字575は「年」。今年の漢字ならぬ今年の熟語を考える
今日の漢字は「年」。年齢、年輪、年度、年増、閏年、能年玲奈。
今年の流行語大賞は「3密」に決まった。一方、今年の漢字はまだ発表さていないが、例年清水寺で、お坊さんが達筆に豪快な一文字を記す。
そこで少し趣向を変えて、「今年の熟語」(2文字限定)というものを勝手に考えてみた。
まずは、新型コロナウイルスの1年であり、コロナ禍に振り回された1年。しかも収束の見通しは全くなく、コロナ菌は広がる一方である。来年も続くと思うとウンザリである。
そう考えると、真っ先に思い浮かぶ熟語は、普通すぎるが「感染」もしくは「拡大」。中国武漢市のどこから発生したかは未だに解明されていないが、コロナウイルスはヒトに感染し、そしてあっという間に全世界に拡大した。ウイルスがヒトからヒトに渡り歩くという点では、「伝播」とも言えるかもしれない。
さて、コロナから一端離れ、それ以外での今年の熟語は「交代」か。長期政権であった安倍政権から菅政権に交代した。安倍総理の体調不良がきっかけとはいえ、コロナ禍の中での総理大臣の突然の交代で、国民は呆気にとられた。菅総理も学術会議問題でいきなりの試練ではあるが、まずはコロナ禍を収束にもっていけるよう、指導力を発揮してほしいものだ。
もう一人の交代はアメリカ大統領。11月の選挙で民主党のバイデン氏が共和党で再選を目指したトランプ氏を破り、大統領交代となった。しかしトランプ氏は負けを認めておらず、法廷闘争中。悪あがきもよしてほしい。今のアメリカの分断と迷走を象徴するような出来事であると同時に、トップが「アメリカファーストどころかトランプファーストだ」と揶揄されるように、エゴの悪魔に取り付かれた一国一城の主の傍若無人な振る舞いに国民が辟易したのではないかと思う。そういう意味では「混迷」という熟語が今のアメリカには相応しいと思う。
さらに今年の熟語として考えられるのは「延期」。ご存知の通り、東京五輪の延期である。しかしながら、来年本当に五輪が開催されるのだろうか。
全く個人的な話だが、とあるスポーツの東京五輪の試合のチケットに当選し、予定通りに開催されていれば、今年8月に競技が見られる筈だった。しかし延期に伴い、チケットの払い戻しが可能となった。来年の同じ大会でもそのチケットは使えるのだが、とても来年わざわざ飛行機に乗って東京に行く気分にはなれず、サクッと払い戻しをした。
最後は再びコロナに戻り、人々の生活や働き方を変えた1年。テレワークの導入で、無駄な会議を減らし、リモートワークで仕事を効率良くできることに多くの人が気づいた。時差出勤などで、通勤は非常に楽になったが、反面鉄道会社は減収の状態が続く。
今までの常識や慣習を覆す数々の試みは、コロナがなければ出てこなかったかもしれない。その点からは、コロナによって人々の意識や仕事のやり方が大きく「変革」した年だったと言えるのではないか。
さて、以上、勝手気ままな2020熟語大賞候補は、「感染」、「拡大」、「伝播」、「交代」、「延期」、「変革」と出揃った。
個人の独断と偏見で、大賞はコロナをきっかけに行動や意識が大きく変わった「変革」に決定。
コロナウイルスの蔓延は、将来の生き方や働き方、生活様式にも大きく影響がおよぶエポックメイキングな出来事であった。これをきっかけに、今まで以上に常識や、しがらみを破るような取り組みが多数出て来るような気がしてならない。後世の世界史の教科書に、「社会の大変革を誘発した2020年のコロナ禍」と記載されていくのではないかと予測している。