今日の漢字570は「盟」。Jリーグ加盟チームのネーミングはガラパゴスだ
今日の漢字は「盟」。加盟、同盟、連盟、盟約。
テゲバジャーロ宮崎というサッカーチームがJ3リーグに来年から参入する。
この話を聞き、日本のJリーグ、その下部のJFLの各チームのネーミングは、国際感覚からずれた、何てガラパゴスなのかとつくづく思う。
日本のJリーグチームはご存じのように、愛称が付けられている。アントラーズ、ガンバ、セレッソなど。英語で鹿の枝角のアントラーズ、イタリア語で足のガンバ、スペイン語で桜のセレッソなどは比較的シンプル。
しかし国際的に、海外のチームで愛称を付ける例は少数派。
スペインのアトレチコ・マドリード、ディポルティーボ・ラコルーニャ、レアル・マドリード、アメリカのロサンゼルス・ギャラクシーなど、あることはあるが、ほとんどは、リバプールFC、フルミネンセFCなど、シンプルなものが多い。
日本のサッカーチームの愛称が都市名の後に付けられたのは、プロ野球の影響が大きい。ジャイアンツ、タイガース、ライオンズなどの愛称が定着し、親しみをもってもらえる土壌があったため、Jリーグ創設時、各加盟チームは、サポーターに親しみをもってもらおうと、工夫を凝らしてネーミングを考えた。
しかし、Jリーグ初期のチームはシンプルな愛称が多かったが、チーム数が増えるに従ってネーミングも複雑なものや、似通ったものになっていく。ヴァンフォーレ甲府がJ2にいれば、ヴァンラーレ八戸がJ3に。京都サンガがあれば、サガン鳥栖。ややこしいばかりでなく、1回聞いただけでは覚えきれないチーム名が続々と出現してくる。
例えばJFLのアスルクラロ沼津のアスルクラロは、スペイン語の青と明るい。同じくJFLヴィアティン三重のヴィアティンはオランダ語で14と、何でこんなに読みずらく、わかりずらい名前を付けるのか、不思議でしょうがない。
外来語を上手く取り入れて言葉を作るのが得意な日本人の真骨頂ではあるが、それにしてもひどい。
サッカーチームの経営者は、地元にだけチーム名が浸透すればよく、全国区な知名度まで必要ないと思っているのだろうか。
なぜかというと、サッカーの裾野は広い一方、頂点は世界につながっている。つまりJ1で上位に入り、アジアチャンピオンリーグを制せば、世界クラブ選手権で世界一になれる可能性がある。
世界中に自分のクラブ名をPRできる。そのネーミングがアスルクラロやヴィアティンでは、外国人は「?」である。
世界標準で考えれば、他国では、ビアティン三重など日本でしか通用しないネーミングにするはずがない。諸外国のサッカーチームのシンプルなネーミングは、世界でも通用するネーミングなのである。
例えば、日本贔屓のサッカーチームのオーナーが、ニューヨーク・ブシドーなどとネーミングすれば、世界から失笑をかう。意外に今まで世界クラブ選手権に出たアントラーズやサンフレッチェも、日本としてのアイデンティティーのなさに、世界から苦笑されているのかもしれない。
いい加減スペイン語やイタリア語を持ってきて、合成して造作するのは止めたらどうか。それが今だ国内マーケットだけを見て、ガラパゴスなサッカー文化にしかならない視野の狭さを感じるのである。
冒頭のデゲバジャーロ宮崎は、宮崎弁のテゲ(凄い)に、スペイン語の牛(バカ)と鳥(パジャーロ)の造語と、ごった煮かつハチャメチャなネーミング。アナウンサー泣かせのこのチームが世界を目指すことなど1ミリもないのだなあと、悲しくなってくる。FC宮崎で十分ではないか。
これからも訳のわからない、国内でしか通用しないチーム名が雨後のタケノコのように造作されるのはうんざりである。
と、色々調べていると、究極のネーミングも。
京都おこしやすAC。関西リーグ所属。ふざけたを通り越して、吹き出すレベル。逆にドメスティック過ぎて腹がすわっている。ぜひ世界クラブ選手権まで登り詰めて、世界におこしやすのネーミングを轟かせてほしい。(と、もはや自虐的レベル)