笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字566は「会」。熊にばったり出会ったらどうするか

今日の漢字は「会」。会合、再会、会話、会社、会員、会計、会津若松

    

    住宅地に熊が出没する事例が相次いでいる。金沢では、スーパーにツキノワ熊が出没し、駆除された。ドングリなどの木の実が不作だと、山を降りて人間の居住地に出没する熊も大変だが、お互いの生活を脅かさないよう、共存していかねばならない。

 

    しかし、登山や山菜採りなど、人間の積極的な行動の中で、熊とばったり出会うことも多い。2016年に秋田県鹿角市では山菜取りの4人が熊の犠牲になるという、痛ましい事件もあった。そこで、熊との対応について、羆の行動や生態を研究している木村盛武氏の著作「ヒグマ そこが知りたい」から引用したい。

 

    まずは、熊に出会って何もせずに助かった事例はない。熊に襲われても助かっている事例はたくさんあることから、相手をよく知ることが必要。

 

・熊と出会った時は、姿勢を急に変えず、叙々に対面位(正面を見据える)をとる。

・熊の目をじっと睨み、目を逸らさない。

・背を絶対に見せない。

・大声で威嚇したり、悲鳴を上げない。

・物を投げつけない。

・たとえ仔熊とばったり会っても、その場から立ち去る。仔熊の近くには必ず親熊がいるので、絶対に仔熊に近づいてはいけない。

・熊が退散しそうなそぶりを見せても、急に逃げたりしない。

・クラクションやカーラジオで刺激しない。

・車で出会ったら、決して外に出ない。

 

    熊は突然人間に会うと警戒心や恐怖心を抱くので、徒に刺激し興奮させないことが大事。つとめて冷静に対処する。熊に関心を示さなければ、向こうも敵対心を持つものではない。

 

    熊は、背を向けて逃げる生き物は「弱者」と判断してほぼ間違いなく襲ってくる。だから決して慌てて逃げてはいけない。100%襲ってくる。

    熊がのそのそと近づいてきた場合は、何か物、例えば食糧、衣服、持ち物を前にそっと置き、熊がそれに興味を示した隙に、背中を見せることなく、後ずさりしながら次第に遠ざかる。

 

    熊から人間への好奇心を逸らすことが大事なのである。

 

    近くに木があれば、木に登るという方法もある。図体の大きい熊は木登りが苦手なので、木に登ってやりすごす方法もあるという。ただ咄嗟に木に登れるかという問題はある。

 

    熊が急に姿を消しても、侮ってはいけない。どこかに潜んで攻撃の機会を伺っている場合がある。何といっても、熊にしてみれば自分の縄張りはホームであり、庭でもある。先回りして待ち伏せする場合もある。

 

    熊の走る速さは人間の比でなく、速い。執拗に追ってくる場合は逃れることは難しいものと理解する。もし熊の立ち寄れない岩場や、大木があればその陰に身を潜める。

 

    死んだふりについては、著者は懐疑的である。死んだふりをして無傷という例は極めて少ない。多いのが爪による傷で、ひっかかれて傷を負う場合が多い。これは熊が人間の生死を確かめるために、荒々しく人体を扱うことからの受傷だという。

    死んだふりをしても、結局は犠牲になったという事例も少なからずあるのは事実である。

 

    熊が立ち上がったとしても、必ずしも襲ってくるものではない。立ち上がるのは、相手に対する威嚇と自分を大きく見せるデモンストレーション。

    熊が立ち上がって襲ってくる場合は、うつ伏せになり後頭部を守ること。人間が四つんばいの態勢では、一撃で人間を即死させることはできない。しかし立った状態で熊から攻撃を受けると、頭に一撃をくらえば、ダメージは大きく、即、死につながる。この護身術は多くの研究家が推奨する術だという。

 

最後に、山に入る場合の心得。

・人間の存在を知らせるために鳴り物(鈴、ラジオ、笛)を持つ。

・太い枝で、樹木を叩きながら歩く

・大声を出したり、唄ったり、手を叩く。

 

    備えあれば憂いなし。登山や山菜採りは、人間が熊の生活圏に足を踏み入れるということ。その前提をもって、謙虚な姿勢で臨みたい。

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