今日の漢字557は「配」。宅配便の未来を考える
今日の漢字は「配」。配分、配信、配給、支配、心配、配偶者。
宅配便について考える。
人手不足で宅配便のドライバー不足は深刻だという。
少子高齢化の影響は、働き手を奪っている。宅配ドライバーはきつい仕事だとのイメージが拭えず、なかなか人手が集まらないという。
逆にネットショッピングの隆盛で、宅配需要は右肩上がり。コロナ禍以降も宅配需要はますます伸びていくことが予想される。
芸能人のぱっくんが自らの著書で述べていたが、荷物を届けることに対し、外国人は「モノを届ける」で、日本人は「人に届ける」の違いがあるという。外国人はただ単にモノを運べばいいとの発想だが、日本人は時間指定サービスがあるように、痒いところに手が届くサービスをする違いがある。
しかし日本のこうしたサービスは過剰サービスではないかと指摘する声もある。過当競争がゆえに各社が工夫を凝らすサービスが、かえってドライバーの過労を生み出しているという。
かと言って、それを解決する策はない。自動運転技術を広げるにしても、せいぜい高速道路や各地域の配送センターどまりであろう。自宅まではドライバーが届ける必要があるから、そこの効率化をどうするかという問題がある。
ドローンで自宅まで配送という選択肢もあるが、しばらくは時間がかかるだろう。
人手不足を補うためには、宅配料金を割高にするか、もしくはコンビニのような拠点に荷物を集めて、お客はそこまで取りにいかねばならないかもしれない。
そこで、私が考えた、人手不足を補う宅配戦略。
宅配の荷物は自分の住む近くのコンビニに集配される。荷物を取りに行けない人は必ずいるから、何らかの手段で家庭まで運ばねばならない。そこで登場するのが、労働者ではない高齢者。高齢者も、仕事がなく、体力があるのに暇を持て余して自宅でゴロゴロしている人は多い。そのような人が隙間時間を利用して、アルバイト感覚で宅配荷物を運ぶのである。
コンビニの近辺が配送エリアなので、遠くに運ぶ必要がないし、高齢者は自分が住む近辺の地理にも詳しいから、迷う心配がない。自転車や徒歩で運べば健康にもいい。各地域に住む高齢者は相当数はいるから、ウーバーのようにネットで暇をしている高齢者に連絡し、出動する体制を作るのである。
そうすることで、隙間の労働力を有効活用できる。
宅配ドライバーがドア・トウ・ドアの配送をするのではなく、拠点配送と自宅配送の住み分けを、コンビニを使って実現するというのが私のアイデアである。
宅配ビジネスはある意味限界に近づいている。安い料金で運ぶ時代は終わり、サービスの充実は間違いなくコストアップになる。しくみ自体を変えるために、高齢者という余剰の労働力をうまく使う方策を考えてはどうかと思うのである。