笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字535は「今」。今日も見たいテレビ番組がない

今日の漢字は「今」。今年、今晩、昨今、今宵、古今和歌集

 

    「テレビは余命7年」と著述家の指南役は述べているが、もはやオワコンではないかとつくづく思う。

 

    最近家に帰って新聞のテレビ欄を開いても、見たいテレビ番組が全くない。一応音がないのも何なのでテレビを付けてはいるものの、全くのBGMで目に入らない。

   BS番組はもっと悲惨。ほとんどリモコンのBSボタンを押すことはない。たまに見ても通販番組ばかり。

 

   緊張感のない、無難な作りのオンパレードで、全てが予定調和で進んでいる番組の数々。驚きや新進性がない。

 

    プラスも生まず、マイナスにもならない、ただ時間を浪費をするだけ。

 

    クイズ番組も知識を争うものばかり。博覧強記に尊敬を受ける東大生。

 

    本来、若者はさまざまなことを考えたり、知識と経験から学んだり、思考力や創造力こそ強化する年代なのに、ただ「もの知り」というだけで尊敬される風潮におかしさと危うさを感じる。

 

   知識を詰め込む時代はとうに終わり、ネットで検索すれば物事を知ることができる時代。それより大事なのは、アイデア、発想力、創造力。これらを若者は磨いていかないと、欧米の先進企業には勝てないし、時代からも取り残される。

 

    考える頭の良さよりも、記憶力と、よりたくさん勉強してきた博識な東大ブランドを重宝するテレビ局の番組づくりに違和感を覚える。

 

   キャスティングありきのバラエティ番組にも問題がある。

 

    ある番組で、ひな壇芸人にあまり知られていない、売れていない芸人が出ていた。知人が広告代理店にいるので聞いてみると、その芸人は大物芸人と同じ事務所所属とのこと。要するに大物芸人+売れない若手芸人をセットにしたパッケージ売りなのだと言っていた。

 

    視聴者目線ではなく、芸能プロダクションの意向にテレビ局は逆らえないらしい。表向きは出てこないが、これもテレビをつまらなくしている一因。以前島田紳助が傷害容疑で逮捕された時もマスコミは忖度し、容疑者ではなく司会者と報道した。そのように芸能人に媚びへつらうテレビ局の姿勢は見ていて鼻白む。

 

   売れている芸人をひたすら出させて消耗させるのもつまらない原因。

 

   3時のヒロイン、ミルクボーイなど、コンテストで優勝した芸人を集中的に使う。人気があるから、視聴率もそこそこ稼げ重宝される。しかし、どの番組も金太郎飴状態で、似たような番組ばかりで逆に飽きられやすくなっている。一世を風靡したブルゾンちえみはどこへ行った?にゃんこスターは?芸能人も今や消耗品の時代である。

 

    テレビより面白いことがたくさんあることに気づいたデジタル世代のテレビ離れが激しい。忙しい若者は4時間のバラエティ番組を生で見続けるほど暇ではない。だから録画してCMはスキップ。その方が時間を効果的に使える。「この結果はCMのあと」の手法が定着し、CMを見せようとテレビ局も必死だが、逆にその構成がかえって録画にシフトさせるだけである。結果、テレビやCMをだらだら見る層は、購買力のない高齢者ばかりとなる。テレビのビジネスモデルが崩壊の域にきていると思う。

 

   面白い逆転現象は、ユーチューブにテレビ番組を載せるのは著作権違反だとうたっておきながら、一方のテレビ局は「おもしろ動画」でユーチューブにアップされた再生回数の多い動画を普通に紹介している。ユーチューブにアップされた方はテレビでも人気が出るからいいのだろうが、なんか話が矛盾していないかと思う。要するにユーチューブコンテンツを利用してテレビ局が視聴率を稼いでいるのである。

 

   番組を制作する彼らのプライドはどこへ行ったのか。ユーチューブの動画を引っ張ってきて、テレビ局の編集室で編集するディレクターは一体何を思うのか、一度聞いてみたい。

 

    当然、気概のあるテレビマンは気づいているとは思うが、スポンサーからのTVCMの広告費が減れば、制作費を圧迫するのは当然である。「なるほどサワールド」や「世界まるごとハウマッチ」のように、ふんだんな海外ロケで様々な「謎」を解いていった番組が懐かしい。(唯一「世界不思議発見」だけはクオリテイが高いが)

 

    一家に複数台のテレビの時代から、テレビのない世帯がメジャーとなる時代はそう遠くないかもしれない。 

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今年の漢字は「疫」で決まり