今日の漢字514は「門」。サントリーのお茶伊右衛門はチャレンジングな売り方をしている
今日の漢字は「門」。校門、開門、門限、水門、肛門、専門、破門、名門、凱旋門。
コンビニで、サントリー伊右衛門のペットボトルのラベルを貼っていないタイプの商品が陳列されていた。サントリーのホームページによると、ラベルレス商品として紹介している。
ペットボトルにラベルはなく、中が透けて見える状態。キャップの部分にマフラーのように小さなラミネートで伊右衛門と表記されているだけ。
ペットボトルはお茶がただ入っているだけで、すべて緑色。んー。こんな見せ方があるのかと唸った。
伊右衛門は今年の春くらいにリニューアルされた。コマーシャルでも、ラベルをぽろんと剥がすシーンが印象的だった。なぜラベルを剥がすのかは、中のお茶を視覚的に見せる意図があるのは何となくわかっていたが、それにしてもラベル自体を貼らずに商品陳列するとは大胆。サントリーのしたたかな挑戦者意識が見てとれる。
ネットなどの情報を見ると伊右衛門は、4大ブランド、コカ・コーラの綾鷹、キリン生茶、伊藤園おーいお茶に大きく水を開けられ、苦戦していたという。シェアを奪い返すために取った戦略は、お茶本来の味そのものを楽しんでもらうという戦略ではないかと思う。
今回の陳列方法はおそらく相当な社内議論があったことは想像に難くない。(以下、想像)
役員「商品名のないラベルを貼らずに陳列してどうやってお客さんに買ってもらえるんだ」
担当者「伊右衛門はお茶そのものを味わっていただくコンセプトで今回リニューアルしました。そのためには視覚的に美味しそうに見えることが大事で、ラベルがないことでお茶全体を美味しく見せることができます」
役員「どこのシロモノか一見してわからない商品を手に取るとは思えないが」
担当者「ラベルのない商品に、お客さんは、最初これは何だろうとの気付きを与えます。緑色の視覚的に美味しそうなお茶をみて、飲んでみようかと手に取れば、今後伊右衛門のリピーターになってもらえる自信はあります」
役員「んー、どうせうちのシェアは低いから、大胆なことをしないとお客は振り向いてくれない。よし、その作戦をやってみよう」
と、役員会議室で会話がなされたことだろう。
確かに自分がペットボトルのお茶を買う時は、ほとんどがおーいお茶。しかもいつの間にか600mlに増量されていて、お得感満載であった。
そんな人それぞれの購買習慣を覆すのは並大抵のことではない。人の思考や行動習慣を変えるためには、
・エコか
・味がイケてるか
・おしゃれか、スリムか、スマートか
・話題性があるか、インスタ映えするか
・コスパがいいか
エコという点では、そもそもラベル自体がないから、捨てる時にラベルを剥がす手間が省ける。エコな企業姿勢をやんわりと表現することもサントリーは裏で狙っているような気がする。
この挑戦が人々のお茶の購買習慣を変えることになるのか。しばらく伊右衛門に浮気してみよう。