今日の漢字510は「皇」。天皇の後継問題はとてもナイーブ
天皇の後継問題はなかなかナイーブである。
いつかは令和の時代は終焉を迎え、次の天皇が即位する。
皇室典範には「皇位は皇統に属する男系の男子が、これを継承する」とある。
男系天皇は、「皇族の父親と一般女性」の間に生まれた天皇であり、仮に愛子さまが天皇に即位されると男系天皇となる。
次に、愛子さまが一般男性と結婚して男児を産み、その男子が即位すると「女系の男性天皇」となる。しかしわが国では女系天皇を認めてきていない。
過去の日本の女性天皇(8人10代)はすべて「男系の天 皇」。要するに、今日に至るまで、天皇家は男系を外れたことがないことになる。
問題は、この女系の天皇を今後認めるかどうかが論点となるであろう。
女性天皇が一般男性と結婚すると、生まれた子は民間男性の家系の子となり、その子が皇位を継承すれば、その民間男性の家系の新しい王朝となる。
女系天皇を認めることは、皇室が民間人に乗っ取られる可能性もある。これが外国人ならどうなるかという問題もある。
過去にはハプスブルグ家がこの手法で諸国を乗っ取り、神聖ローマ帝国という広大な帝国を作った負の歴史がある。
日本の先人たちは、国体を保つために男系を維持・継承してきた歴史があり、この女系天皇を認めるというルール変更を容認できるかいう問題がある。
2019年の世論調査によると、女系・女性天皇に賛成が7割との結果がでた。
しかし、調査では女系・女性天皇の区別をつけて質問していないため、区別すべきだとの批判が出たという。確かに愛子さまの天皇即位は認めても、一般男性との間の子が皇位を継いで良いかというのは、センシティブな問題でもある。
その背景には、眞子さまと小室さんの交際をきっかけに秋篠宮家へのバッシングが起きたことがある。まだ秋篠宮家であるからそれほど大問題にはならないが、これが愛子さまの交際相手となると、火種は大きい。その男性の家系が皇室に入ることになり、それが適切か、大丈夫かという議論に間違いなくなる。
今の秋篠宮家への対応が、今後の愛子さまのご成婚に向けてのシミュレーションにもなるような気がする。愛子さまの伴侶となる一般男性がどのような人間なのか、それによって世論を大きく揺るがすような気がする。相当な家柄でないと釣り合わないだろうし、有史以来日本が経験する初めてのケースであり、過去事例がないだけに、どのように展開するのか予測がつかないということになろう。
愛子さまではなくて、男系天皇の継承という形となると、悠仁親王が後継となる。もしくは旧宮家の皇籍復帰という手もある。そうなると男系子孫は多く存在すると言われており、皇統が途絶えることはない。
ただ、愛子さまという天皇陛下の直系がいるのに、血のつながりの薄い傍系、もっと血のつながりの薄い旧宮家まで持ち出すのかという意見が出てくるのは間違いない。
いずれにしてもナイーブな天皇後継問題。今は特段火種が大きくないが、いずれは国内を二分する議論に展開することは間違いない。皇室典範の改定にまで触れるのかどうかはわからないが、そのためにも、政府、マスコミは国民に対し、複雑な皇統の位置づけをしっかり理解できるような説明をしていかなければならないと思う。