笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字507は「堀」。お城のファーストインプレッションは堀である

堀今日の漢字は「堀」。釣り堀、堀川、堀内孝雄堀北真希

 

    東京に住む友人は、日本100名城の制覇にチャレンジ中。暇をみつけては、奥さんと城を巡り、スタンプ集めをしている。

 

    首都圏や関西圏に住む人は本当に羨ましい。公共交通機関や車を使えばどの城にも行きやすい。

 

    その点、北海道に住んでいると、どこに行くにも飛行機なので、ハードルが高い。空港からレンタカーで名城へというのも、非常に面倒な気分になる。

 

    だからと言って全く興味がないわけではなく、タイミングが合えば、なるべく城を訪問できるよう、スケジュールを組み立てる。3年前に京都で大学の同窓会があった時は、少し足を伸ばして彦根城に登城。現存天守12城のひとつを制覇した。

 

   城を訪れる際のポイントは、まずは天守閣があるかどうかがある。現存天守か、復元天守か、復興天守か、はたまた消失して天守がないか。天守閣の有無と種類が「いの一番」に気になる。天守閣は二つとして同じ構造はないから、唯一無二の個性派揃いのランドマークにどうしても目が行く。

 

    しかし、城と対面する際のファーストインプレッションは石垣と掘である。天守閣は、はるか向こうにあるなか、まず最初に目に入るのは、石垣の規模・高さと堀の広さ・深さである。

 

   戦国武将にタイムスリップしたと仮定して、敵の城を攻略する際に、まず考えるのは、石垣を登れるか、堀を渡って本丸に近づけるかにある。

 

    石垣が強固そうで、かつ高ければ「うーん」となるし、堀が広くて深ければ、矢も鉄砲の弾も届かないから、これまた「うーむ」となる。先陣を務める武将は、この先の難攻不落と、かなりの戦死者を覚悟しなければならない。

 

    それほど堀と石垣は、城を防御するための設計上、最も知略を巡らした箇所だと言える。

 

    平地にある平城のほとんどは水を並々とたたえた大きな堀に囲まれているから、私たちは城を見学する際に必ず橋を渡る。

 

    私はこの瞬間が好きである。堀を横切る際、堀の大きさが大体わかる。幅が広く水がたっぷりと貯まっている場合は、攻略の難航度は高いと想像できるし、狭ければ、がんばれば攻略できそうだと思う。水の無い空堀なら、もっと行けそうと勇気も湧く。

 

   平城はどの城も堀が大きいから、攻め手は悩む。私が訪れた弘前城の堀はそれほど広くはなかったが、彦根城の堀は広かった。江戸城のあった皇居の堀もかなり大きい。千鳥が淵あたりの堀は本当に大きく。さすが江戸の将軍を守る城だと思った。

 

   さて、堀を渡ったあと、私が天守閣に行くまでにチェックするポイントはもうひとつある。それは門のところの虎口、いわゆる出入り口。堀を何とか渡ってきた敵が攻め込むのは門のところであり、ここでも防御するために枡形という、通路を直角にすることで、敵の侵入をゆるやかにするという方法がある。敵の兵士はまっすぐ進めないから、一箇所に溜まることになるため、門の上などから鉄砲や弓矢で射ることができる。

 

    そういう虎口が戦略的な構造になっているかどうかで攻略のワクワク感が違ってくる。

 

   城を楽しむのは何も天守閣だけではなく、石垣、掘、虎口とたくさんある。どの城もレイアウトには特徴があり、当時の城主が何を考えて建設したかを冷静に考えるのも「通」と言えそうだ。そうなれば天守閣のない城なども十分楽しめるはずだ。 

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仕事の肝は外堀を埋めること