今日の漢字500は「運」。「知力・体力・時の運」のアメリカ横断ウルトラクイズを振り返るパート2
このブログも500回。読者の皆様には私の駄文をお読みいただき、ありがとうございます。これからも続けられるよう、精進します。
ということで、今日の漢字は「運」。運動、運転手、命運、運送、運用、幸運、機運。
アメリカ横断ウルトラクイズパート2。
パート1はこちら
「知力・体力・時の運」のキャッチフレーズに興奮し、毎年楽しみにしていたこの番組。ほぼ3週から4週にわけて放送され、1週目は後楽園球場、東京ドームの一次予選、成田空港の二次予選、飛行機の中でのペーパークイズで進み、2週目からはいよいよアメリカ国内移動。
その最初のハイライトはグアムでの「どろんこクイズ」。問題に対して○か×かを選び、どちらかのボードに向かって走る。発砲スチロールのボードを突き破り、不正解であれば泥水が待ち受けるというもの。不正解者への容赦のない仕打ちに、視聴者は苦笑しながら見るお約束のシーンが展開された。
このあたりから挑戦者は10人くらいに絞られ、全員がウルトラハットなるものを頭に被り、早押しクイズを競う。そして訪問する都市ごとに無情にも一人ひとりが振るい落とされる。問題のレベルが一気に上がり、緊張感も増す。
視聴者はそういうレベルの高い問題にはついていけないから、番組スタッフはあの手この手で趣向を凝らした出題方法を考える。
そのひとつが、「バラマキクイズ」。ネバダ州などの砂漠でセスナ機から問題がばら撒かれ、挑戦者は走って取りに行き、戻って問題に答える。正解であれば勝ち抜け、不正解であれば、再び問題を取りに走らねばならない。
さらには「マラソンクイズ」。5~6人が一列に並んで、マイクの付いた車の後ろを走りながら問題に答えるもの。勝ち抜け者は早々に走り終えられるが、勝ち抜けできない人は、延々と走らねばならない。
キャッチフレーズでいうところの「体力」が左右するのが良くわかる。
しかし結局のところ、クイズは知力でも体力でもなく、時の運。自分の知っている問題が出題されるかどうかは、運以外の何物でもない。運を掴んだ挑戦者が、ニューヨークへの切符を手にする。
そうして勝ち抜いた挑戦者2人がニューヨークで決勝を迎える。決勝戦を前に挑戦者2人は自由の女神を船から見るが、そのシーンを見るにつけ、「ああここまで来たか」と感慨にふけったものだ。しかし番組的にはもうこの段階では、難問を答える挑戦者の凄さだけが際立っており、静かに対決を見るしかなかった。ハイレベルな闘いに私は一人ため息をつくのであった。
優勝商品で思い出されるのは、優勝者にアメリカの砂漠の土地がプレゼントされたこと。
なかなか心意気のあるプレゼントだが、貰った優勝者も対応に困るのではなかろうか。放送から30年くらいたつが、今、その土地がどうなっているのか、気になるところではある。
何人もの一般挑戦者と番組スタッフ、福留アナを引き連れ、2~3週間も海外ロケができる制作費は、今のテレビ局には無い。アメリカ各地の観光とクイズをマッチングさせたバブリーな番組ではあったが、一般人がクイズ王をかけてニューヨークを目指すというコンセプトは、私たち視聴者に夢を与えるものだった。当時は1ドルが250円もした円安期。ハードルの高い海外旅行をクイズ番組が叶えてくれた時代があったことを思い出して懐かしみたい。