今日の漢字490は「棒」。鉄棒の逆上がりにチャレンジしてみた
今日の漢字は「棒」。鉄棒、指揮棒、ガラス棒、棒読み、うまい棒。
鉄棒をやってみた。
30年ぶりの逆上がり。
果たして1回転できるのか。
お父さんが逆上がりにチャレンジして見事成功すれば、子供に景品が当たるという企画をテレビのバラエティー番組で見た。
逆上がりができたお父さんは得意満面の笑顔、一方失敗したお父さんは、何とも子供にばつ悪く、子供もとても残念そうな顔をする姿が微笑ましかった。
そのことをなぜ思い出したかというと、たまたま散歩していて公園が目に入り、立ち寄って見ると鉄棒があったから。
普段なら無視して通り過ぎるところだが、いつも散歩の時はこのエッセイのネタを考えながら歩いているので、「子供への景品はないが、おっさんの鉄棒チャレンジは記事のネタになるかも」と下心ミエミエで鉄棒に近づいた。
時間は朝7の時前。当然ながらこの時間公園には誰もいない。子供も犬の散歩も老人もいない。
「チャーンス」。
こんな朝っぱらから60近くのおっさんが鉄棒などしていると、怪しまれるし、滑稽。早く立ち去りたいが、でも逆上がりにチャレンジしてみたい。
好奇心の誘惑には勝てない。
逆上がりが出来れば「俺もまだ捨てたもんじゃない」。
できなければ「ああやはり年齢には勝てないか」
となる。
鉄棒は段違いに3つ。真ん中の小学生中学年が挑戦しそうな高さの鉄棒を選んだ。
自信は半々。何せ30年ぶりの逆上がり。出来なくても仕方がない。
自分の体重は62キロ。自慢ではないが、この10年は適正体重は維持できている。
体が重くて上がらないことはないだろう。
確か逆上がりの瞬間は両腕に思い切りパワーを込めて鉄棒を引っ張り、足は空に蹴り上げてその勢いで回転するイメージだったか。
頭の中でシミュレーションすること1分。
まるで内村航平がオリンピックの最終種目の鉄棒に金メダルをかけて臨むような瞬間。トカチェフやカッシーナは決められるのか。
んー雑念が入った。
成功を妄想しつつ、深呼吸をしたのち足を蹴り上げた。
おー回ったー回ったー
かぶっていた帽子が落ちそうになる。ポケットからスマホが落ちそうになる。
あっという間にくるりと1回転した。
やったー。大成功。
子供のように嬉しかった。
体はまだ覚えていた。我ながらあっぱれをあげよう。
鉄棒のそばにたたずんでしばし余韻に浸りたかったが、おっさんが鉄棒でたたずむのは相当怪しいので、うしろ髪ひかれる思いで現場を後にした。
欲を言えばもう一度チャレンジして、まぐれの成功でないことを確かめたかったが、それは次の早朝散歩にとっておこう。
鉄棒がこんなに身近に感じるなんて、ひと時、童心に帰る自分がいた。