今日の漢字460は「悔」。後悔しない人生について考える
今日の漢字は「悔」。後悔、懺悔、悔いが残る。
緩和医療医師で作家の大津秀一氏の「死ぬ時に後悔すること25」を読む。多くの人の終末期患者の緩和医療を行い、患者に寄り添い、コミュニケーションをとるなかで、多くの人が死の間際になって後悔する事柄を25個あげている。
それは、
1健康を大切にしなかったこと
2タバコを止めなかったこと
3生前の意志を示さなかったこと
4治療の意味を見失ったこと
5自分のやりたいことをやらなかったこと
6夢をかなえられなかったこと
7悪事に手を染めたこと
8感情に振り回された一生を過ごしたこと
9他人に優しくしなかったこと
10自分が一番と信じて疑わなかったこと
11遺産をどうするか決めなかったこと
12自分の葬儀をどうするか決めなかったこと
13故郷に帰らなかったこと
14美味しいものを食べておかなかったこと
15仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと
16行きたい場所に旅行しなかったこと
17会いたい人に会っておかなかったこと
18記憶に残る恋愛をしなかったこと
19結婚をしなかったこと
20子供を育てなかったこと
21子供を結婚させなかったこと
22自分の生きた証を残さなかったこと
23生と死の問題を乗り越えられなかったこと
24神仏の教えを知らなかったこと
25愛する人にありがとうと伝えなかったこと
この中で私が最も後悔すると思うのは、やはり5と6だと思う。
なぜならば、「自分のやりたいことを今までやったか」「夢を叶えたか」と問われると全く自信がない。齢60近くになってそんな反省があることを逆に恥ずかしいと思う。
ただ、多くの人が人生の中でやりたいことをできなかったり、夢が叶えられなかったという事実は大きい。「そのうちいつかやろう」と思っていたが、いつの間にか忙しくて忘れたり、病気で思うように体が動かなくなったり、お金がなかったりと、結局できずじまいで終わってしまう。夢も叶わずゲームオーバーとなる。
人生はあっという間。だからやりたいことは普段からどんどんやる。結局はチャレンジするしかない。
先日私が五能線の「リゾート白神」の観光列車に乗ったのもチャレンジの一つ。コロナウイルスに負けず、リゾート列車に乗りたいという願望を叶えた。そのようなプチ願望叶えるべくアグレッシブにトライすると、充実した日々が送れるし、また別のことにトライしようという意欲が生まれる。
このように、これら25の項目の逆をやれば、後悔しない人生が送れることにつながる。
いわば先人の残した後悔の数々を反面教師として捕らえる。
死に臨んで後悔するということは、単純に考えれば、生きているうちに意識してやるべきことを実践していれば後悔はしない。先人が残した教訓を自分の中で咀嚼し、先んじて自ら積極的に実践していくことを考えていけば良い。
あとは、特に忘れがちなのは、9や25。ついつい人に厳しく当たったり、冷たく対応したり、身近な人への感謝の気持ちがおろそかになる。普段から意識して「ありがとう」を言うクセをつけないと、一生ありがとうを言わずに天国に召されるかもしれない。
著者は、「真に優しい人は死を前にして、後悔が少ない。他人に優しくしてきた人間は、自分に心から優しくできる」と述べている。優しい気持ちは意識して持ち続けたい。また、「ありがとうは後悔のないために必要な言葉である」とも述べている。この魔法の言葉を意識して使うことで、人間関係も円滑に進むような気がする。
死はいつ訪れるかわからない。その直前になって慌てないよう、普段からこれらのことを頭の片隅に置き、できることを焦ることなくコツコツとやるしかない。