笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字458は「神」。リゾート白神に乗って、今の観光事情を考えた

今日の漢字は「神」。神社、神宮、神道、神通力、神秘、神聖、神経質、神武天皇阪神タイガース

 

   リゾート白神に乗ってきた。車両はブナ号。

    この列車は、秋田市から五能線を経由して青森市に至るリゾート列車で4時間くらいかけてのんびりと走る。

    五能線能代五所川原からとった路線だが、日本海側の風光明媚な海岸線を通るため、人気が高い路線である。

 

   乗車した当日は乗車率50%くらいではあるが、家族連れ、鉄道ファンらしき中高年の男性も多数いて、それなりの賑わいを見せていた。能代駅では、バスケットの名門能代工業高校にあやかり「バスケの街」をPRする能代市を代表するイベントとして、駅でフリースロー体験ができる。また、鯵ヶ沢五所川原間では、車内で津軽三味線の生演奏が披露されるなど、乗客を飽きさせない工夫が随所にちりばめられている。

 

    私は予約しなかったが、予約制のレストランも併設されていて、地域の食材に舌鼓を打つこともできる。

 

    少子高齢化で沿線住民が減ったり、モータリゼーションの影響で日常生活でローカル線に乗るという機会が失われつつあるが、こうして観光需要の掘り起こしでローカル線に光を当て、電車に乗って自然やグルメを堪能し、非日常を楽しんでもらうという企画は今後さらに進化を遂げていくであろう。実際JR九州の「ななつぼし」などは豪華列車として大成功を収めている。

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リゾート白神「ブナ」号

 

    さて、コロナ禍の中でのGO TO キャンペーンを意識した旅行であったが、今回五能線を含めて小樽~新潟~秋田~青森と2泊3日の旅行をした。そして観光産業がなかなか元気にならない実態を垣間見た。

 

    移動(船・電車・飛行機)、食、宿泊という旅行の3点セットで考えた際に、客観的に見てお客さんがそもそもいるのかという視点で見ると、まだまだ人、特に観光客の存在は希薄というのが正直な実感である。

 

    リゾート列車は別にしても、行きの旅行で小樽から新潟まで乗車したフェリー、帰りに青森から新千歳で乗った飛行機、秋田で宿泊したホテル、そして夜の居酒屋。どれも空席が目立つ。飛行機は乗客がたったの20人。空気を運ぶのかと見間違うほど、燃料無駄の大幅赤字必須の惨状である。

 

    観光業界がGO TO キャンペーンを観光産業復興の起爆剤として期待するのもよくわかる。とにかく観光業界は人が動かないと話にならない。しかしキャンペーン期間中にも関わらず、観光客の姿は少ない。

 

    いくら感染対策をして、しかも旅行代金が還付されると聞いても、連日全国で数百人規模のコロナウイルスの感染報道を目の当たりにすると、「今旅行することは止めておこうか」となる。

    私のように、「コロナに負けるな」で自ら旅行を企画し、在宅勤務続きで疲弊した気分や憂さを晴らすべく、遠くに行ってみようという人がたくさん増えれば、経済全体も活性化するのであろうが、感染拡大により心理的に旅行や帰省を控えようというアクションがさらに加速化すると、政府や観光業界の思惑と逆行するおそれもある。

 

    観光業に携わる人たちは大変だろうが、まだまだしばらくは耐えなければならない日々が続くのではないか。いつまでも自粛ということにはならないから、やはり注意深く感染状況を確認するとともに、あとはとにかくワクチンを早期開発し、抗体を作ること。それができないことにはのんびりと旅行ができないということになるだろう。

 

    今回の旅行のように、何をするにしても行列などがなく、人が少ない旅行はストレスがないが、つい1年前にはどこもかしこもアジアの観光客でごった返していただけに寂しい限りである。とにかくコロナが収束し、賑わいが戻ることを祈るばかりである。

 

     ちなみにリゾート白神は本当に景色も良く、乗って大正解。これに味を占め、次回は八戸~久慈間を運行する「リゾートうみねこ」に乗り、太平洋の雄大な景色を堪能したいと画策している。

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