笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字432は「寝」。寝落ちについて考える

今日の漢字は「寝」。昼寝、寝具、寝起き、寝冷え、寝顔、寝ぼけ、寝床、寝タバコ。

 

     寝落ちについて考えた。

    映画館、居酒屋、車の助手席や電車の中などで、ついうとうとと寝ることは多い。

    私の場合は酒に弱かったこともあり、酒に酔って寝ることがとても多かった。

    大概のお休み処は2次会のスナック。特に居酒屋の延長で同じメンバーで飲む場合は話題も尽き、カラオケに興じることとなる。会話が無いと眠くなる。カラオケの大音量をものともせず、すっかり寝落ちして、目覚めた頃にはお開きとなっているから、結果的に割り勘負けして悔しい思いをすることが度々あった。

 

    西暦2000年、東京にいた時分に、取引先から東京ドームのジャイアンツ戦のチケットを2枚貰い、知人と観戦に出かけた。その頃のジャイアンツは人気に陰りがみえていたとはいえ、まだまだ東京ドームではプレミアチケット。なかなか手に入らないという、今考えると信じられない時代だったから、対横浜ベイスターズの初ドーム参戦の我々は気分最高潮。試合前からビール売りの女の子からビールを購入し、グビグビと飲み始めた。3回くらいまで調子よくビールをあおるうち、次第に眠くなってきた。試合はジャイアンツの一方的な展開もあり、盛り上がりも今ひとつ。トイレに立ってよろよろと用を足すも、席に戻るのが面倒くさくなり、コンコースのベンチに腰かけると同時に睡魔に襲われ、横になって寝てしまった。

 

    ふと目が覚めるとベンチに知人が。「試合終わったわ」とひと言。そうだ、5回以降は全く試合を見ることもなく、ずっとベンチに寝ていたのだ。悔やんでもあとの祭り。野球を見に行ったのではなく、ただビールを飲みに行っただけの、無駄な時間を過ごしてしまった。

 

    あと寝落ちと言えば、電車で寝過ごすこと。これもしょっちゅう。飲んで帰ると、電車では座ると必ず眠くなるため座っちゃいけないとわかっているのだが、座席が空いていると座ってしまう悲しい性。誘惑には勝てない。案の定寝落ちして、降車駅を乗り過ごすということは数限りなし。

    乗り過ごして降りた駅で折り返しの電車があればいいが、終電でもう電車が無い場合は悲惨な末路に。タクシーとなるが、ひと駅くらいの乗り過ごしなら歩いて帰ることに。後悔と反省と空しさが残る帰宅は足取りも重く、そのたびに「もう酒は飲まねえ」と誓うものの、また同じ失敗を繰り返し、反省できない情けなさと自分の弱さを痛感していた。

 

    幸いというか、今は全く酒を飲まなくなったので、寝落ちすることはほとんど無くなった。時間を効率良く使えるという利点は手に入れたが、「酒を飲んで全てを忘れて寝たい」という投げやり感が失われた寂しさはある。酔って寝ることは、何も悩まずに、考え事もすることなくスパッと寝られるのが良い。酒は睡眠薬とはよく言ったもので、寝酒で寝つきがいいというのは、ある意味羨ましいところである。ただ、酒に頼りすぎると、夜中に目が覚めて逆に眠れなくというデメリットもあり、お酒とうまく付き合っていくことも必要なのだと思う。

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立って半畳寝て一畳の精神で行きたい