笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字424は「札」。札幌という地名からくる癒しの響きについて考える

今日の漢字は「札」。改札、値札、検札、立て札、札束、一万円札。

    200万都市札幌。個人的にはこの「サッポロ」という響きが好きである。アイヌ語で乾いた・大きい・川を意味するが、実はこの「幌」を使用する北海道の地名は多い。

    幌(ポロ)はアイヌ語で「広い」とか「大きい」という意味するようだが、北海道という広大な土地が生活拠点であったアイヌ語らしいネーミングである。

     北海道で幌のつく地名は多く、浦幌、羽幌、美幌、南幌、士幌、幌延など。ちなみに美幌は、「水多く、大いなる所」、幌延は「大きな・平原」というアイヌ語からきている。

 

    このように北海道の多くの地名がアイヌ語に由来しており、その語源から「パピプペポ」の半濁音が混じる地名もまた多い。占冠(しむかっぷ)、丸瀬布(まるせっぷ)、新冠(にいかっぷ)などがそう。

 

    個人的な見解だが、半濁音の地名は何となく優しい響きがあり、聞くと気持ちがほっこりする。全国でも半濁音がつく地名は、有名な所では、別府、岩手県安比高原、日暮里などがあるが、音の響きが柔らかく、ハートウォーミングに聞こえる感じがする。

 

     反対にガギグゲゴは怪獣の名前で良く使われる。ゴジラを筆頭に、レッドキングキングギドラギャンゴゴモラカネゴンなど。いかにも怪獣という響きで、異星人ぽく、なおかつ強そうなザ・悪役のイメージである。

     反対にピグモンポケモンポケットモンスターの省略形ではあるが)、ディズニーキャラクターのプーさん、妖精ピクシーなどは、愛くるしく憎めない。

 

    少し脱線するが、ロシアの大統領プーチンも、ブレジネフ、ゴルバチョフなど歴代の大統領や書記長らと比べると何となく弱そうでリーダーぽくない人格に見えてしまうが、親しみのある名前に聞こえる。

 

    ある評論家が、癌(がん)という病名は、「名前の響きが良くない。聞いただけで具合が悪くなる」として、「ぽん」とか「ぱん」とかにすれば、悲壮感が漂わなくて、病気を直すことに前向きになれると提言していた。

    この意見には賛成で、ガギグゲゴの濁音の響きは、ネガティブで硬くコチコチのイメージ。ギャング、ゴルゴンゾーラ、ギジナジウム、グローバリズムなど、その言葉を聞くだけで何となく緊張してしまう。そうでない優しい半濁音で表現すれば、癌(ぽん)と仲良くやっていけそう、病を克服して頑張ろうという気分になるのではないか。

 

    冒頭の地名に戻ると、札幌、別府、占冠など、人々の心を癒し和ませる半濁音地名の会を結成し、その響きから住みやすく、人も穏やかないい街であるイメージ戦略を立てるPRもあながち悪くはないと感じている。

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札付きのワルの人種は最近見かけなくなった