今日の漢字395は「優」。女優について考える
今日の漢字は「優」。優勝、優勢、優位、優等生、優遇、優先、優待券、声優、佐藤優、蒼井優。
芸能界で惜しまれながら引退する女優は、往々にして結婚によるところが大きい。
何と言っても惜しいのは、堀北真希。山本耕史との結婚を期に芸能界を電撃引退した。NHK朝の連ドラ「梅ちゃん先生」や、彼女の代表作と言っていい映画「Allways三丁目の夕日」、ドラマでは「特上カバチ」など、人々の記憶に残るいい役を演じていた。
30代でこれから油の乗る円熟期を迎えるだけに、もう少し彼女の活躍ぶりを銀幕やテレビで見たかった。人知れず涙しているのは、50代のおじさんである私だけでないはずだ。
ただ最近の女優は出産、そして子育てがひと段落してから再び芸能界に復帰するパターンが多い。離婚して復帰というケースもある。ただ、彼女が復帰するとしてもおそらく彼女が40代か50代。そんな老けた堀北真希は見たくない。それならば山口百恵のように、永遠のアイドルのままでいた方が、いいイメージでいられるのではないか。失望感や幻滅は引き起こしてほしくない。
そのほかでは石橋杏奈。楽天の2億円プレーヤー松井裕樹との結婚であれば、今さら女優業を続けなくても豪華な生活ができる。野球選手の嫁は、選手の体調管理に気遣うため食事面など内助の功を発揮する人が多いし、仙台に居を構えるならば尚更、女優業との両立は難しい。彼女の「泥棒役者」での演技が鮮明に記憶に残っている。
ところで女優と結婚した男性芸能人や俳優が、離婚時に口にする言葉に、「彼女に家庭的な面を求めすぎたのかもしれません」という受け答えがある。つまり、男にしてみれば、女優と家庭を両立し、家では家庭的な妻でいてほしいとの願望が見事に打ち砕かれ、失望と化した結果、離婚に至るというケースが想像される。
これについて、作家である伊集院静氏が面白いことを言っていた。彼の奥さんは大女優である篠ひろ子。伊集院静は夏目雅子とも結婚しており、なかなかの女優好きの作家ではある。以下の話は、私が彼の講演会で聴いた話。
「皆さんで女優と結婚するような人がいたら絶対にやめておいた方がいい。女優は家に帰っても女優。家でも輝いていたいし、夫からもちやほやしてほしい生き物なのだ。だから男は家の中でも妻が女優として輝くように、徹底的に妻に尽くさなければならない。その覚悟が必要である」と吐露していた。
おまけに、「だからヤンキースの松井秀喜が女優と結婚したいと私のところに相談に来た時、絶対に止めておけと忠告した。彼は結果的に私の忠告を聞いた」。
それくらい女優は厄介な存在だということ。理想と現実との差は、素人が考える以上にあるのかもしれない。
我々素人は、佐々木希や蒼井優など、あんな綺麗な女優と結婚できて渡部や山ちゃんは羨ましいと思う反面、伊集院氏の言葉を信じると、内情は大変な部分もあるのかもしれない。そんな話を聞くと、菊地桃子と結婚した霞ヶ関の官僚のお方は大変なのではないかと、要らぬ心配をしてしまうのである。