笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字380

今日の漢字は「森」。森林、森閑、森羅万象、木を見て森を見ず、森進一、森田健作、オリラジ藤森。

 青森に住んでいたことがあるので、青森話題をひとつ。

 青森県はご存じ通り、元は津軽藩南部藩という2つの藩が結合した県。津軽藩の中心は、秀麗な天守閣がある弘前城で有名な城下町弘前市。一方南部藩の中心は、漁業と工業の盛んな太平洋側の八戸市廃藩置県青森県となる際に、県庁所在地をどこするかを決める際、弘前市八戸市のどちらかにすると、のちのち禍根を残すので、地理的に中間に位置する青森市に決めたという経緯がある。ただ一応青森市津軽に含まれる。

 両地域は基本的に仲が悪い。その象徴が新聞社とサッカーチーム。新聞については、青森市を拠点とする東奥日報と、八戸市を拠点とするデイリー東北、さらには弘前市を拠点とする、前2社よりは規模の小さいむつ新報という3つの新聞社が入り乱れて鎬を削る。青森県は人口が130万弱で、全県でさいたま市ほどの人口しかいないのにもかかわらず、主要な新聞社が3つあるのも珍しい。さらに複雑なのは、サッカーチームも各々の新聞社が資金を出して設立。おらがチームでも意地を張り合っている。

 青森トリプルダービーの実現は遥か先だろうが、一歩リードしているのが、デーリ東北が推す「ヴァンラーレ八戸」。イタリア語で「南の郷」と「起源」を合わせた造語。青森から初のJ3リーグ昇格を果たし、2020年は2年目のシーズンとなる。この名前はヴァンフォーレ甲府とクリソツで紛らわしい。同じリーグで闘うことを想定していないかのようなネーミングに、もう少し何とかならないかと思う。

 一方、追いかけるのは、青森市を拠点とする「ラインメール青森」。スマホアプリで時代の寵児のライン社がチームを持ったわけではなく、ラインメールは、ドイツ語の「澄んだ海」。2020年でJFL5年目。そろそろJ3昇格への期待が高まる頃である。こちらは東奥日報支援。東奥VSデーリ東北の構図でいけば、ライバル八戸の後塵を排することは許しがたいため、背水の陣で臨んで来るであろう。

 最後に弘前。ここには、むつ新報の支援を受けた「ブランデュー弘前」がある。またなんとも読みずらい名前を付けたものだ。白神山地にあやかり、フランス語の「白い神」。こちらはまだ東北社会人リーグで、先は長い。まずはJFL昇格が目標であろう。サザンオールスターズの「ミス・ブランニューデー」を思い出した。

 

 小さな県なのに、3チーとも本気でJリーグを目指すからややこしい。新聞社戦争から波及したJリーグ戦争と私は勝手に名づけているが、江戸時代から続く「藩」の関係性は複雑。これを見ても青森県は絶対に1枚岩になることはないと、つくづく思うのである。 

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北海道コンサドーレ札幌の福森のフリーキックは素晴らしい