笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字376

今日の漢字は「昆」。昆の熟語は昆虫と昆布くらいか。

 

     昆布といえば北海道。昆布の語源は、アイヌ語の「コンプ(konpu)」だと言われている。昆布は寒く冷たい海に生息するので、昆布にとって北海道は格好のすみか。

    古く奈良時代には中国との交易品として珍重されていたほか、江戸時代には稚内根室、日高の昆布が北前船に積まれ、遠く京の都まで運ばれた。道産昆布は貴族の食通たちを大いに喜ばせたことであろう。

    ちなみに昆布の消費量が一番多いのが富山県北前船は、北海道から日本海を南下して富山にも寄港したことから、富山の人たちに昆布を食する文化が根付いたと考えられる。

    北海道人は、昆布は出汁をとる時に使うくらいで、それ以外ではほとんど食べない。正月のおせち料理で昆布巻きを食べるくらいである。反対に富山では昆布を他の料理にも利用するようで、随分と違うものだ。日本の食文化の奥深さを感じる。私もどちらかと言えば昆布自体はあまり好きな方ではない。

 

    以前あまちゃん聖地巡礼岩手県久慈市を訪れた時、あまちゃんがやっていたウニ漁、要するに現地の海女さんが潜って採ってきたウニをその場で食べるイベントがあった。

    1個500円のウニを買って早速中を見ると、殻の中の身の横に大きさが5ミリ四方位の小さな昆布が入っていた。そう、ウニは昆布を食べるから、おそらくウニはさっきまでムシャムシャと大好物の昆布を食べていたのだろう。

    せっかく美味しい昆布を食べていたウニには申し訳ないが、結果的に私の胃袋を満たす犠牲となってしまった。採れたてのウニは最高に美味しかったが、悲しいかな、ウニを食べながら食物連鎖について考えさせられてしまった。

 

    このようにウニやアワビなどの海生生物が繁殖するためには、昆布が必要。しかし地域によっては、ウニが昆布を食べ尽くしたり、海水温の上昇など様々な原因で昆布が繁茂しなくなる「磯焼け」という現象が起きることがある。

    磯焼けが起きるとウニも生息しなくなるので、漁業に大きな影響が出る。地域では行政も巻き込んで対策を取らねばならないと聞く。

    生態系の確保と商業漁業の共存は大変なことであるが、昆布で取った美味しい出汁が飲めるのも、寿司屋でウニが食べられるのも、影では漁業関係者や行政が苦労しているという実態も知っておくべきなのかもしれない。

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昆虫の王様はカブトムシと勝手に思っている