今日の漢字369
今日の漢字は「汚」。汚点、汚濁、汚染、汚物、汚職、汚名返上、汚(よご)れる、汚(きたな)い。
百田尚樹氏の著書「雑談力」に、自分が糞にまみれるシーンが出てくる。どうしても大便を我慢できずに、トイレで事を起こす前にズボンが足にひっかかり、間に合わずに脱糞するというもの。この記述から、汚濁という言葉が思い浮かんだ。
私の汚濁の思い出は、脱糞でこそないものの、それに近いものがある。
私は今は酒を飲まないが、以前はよく飲んだ。残念ながら根っから酒に弱く、酒を飲むと顔がすぐ赤くなる。それなのに無理をしていい気になって酒を飲むものだから、しょっちゅう具合が悪くなる。飲みすぎて嘔吐する経験は数知れず。嘔吐する度に「もう飲まねえ」と反省するのだが、それも時間の経過とともに忘却の彼方に追いやられ、再び大酒→吐くを繰り返す実に情けない有り様であった。学習能力が全く発揮できないのは、酒はやはり人を狂わせる麻薬であり狂薬なのだと、酒を飲まない今となって、恥ずかしながらようやく得心したような気がする。
そうは言っても、嘔吐するのが家のトイレや公衆トイレであれば、あまり他人には迷惑がかからないが、そうでない苦い経験が若かりし頃あった。
会社の若手男女10人ほどが集まった飲み会があり、1次会でしこたま酒を飲み、そのあと向かったとあるワインバーにて。
ワインを飲み、談笑するうち、次第に具合が悪くなってきた。一次会の日本酒がいけなかったか。
呼吸が荒くなってきた。やたらゲップが出る。胃がむかついてきた。いつもの嘔吐のパターンだと気づき、トイレに駆け込んだ。
しかしひとつしかない大便トイレには既に先客が。小便器に吐く訳にもいかず、とても間に合わず。「うっぷ」という発信合図とともに、トイレフロア一面が私の嘔吐物で溢れかえることとなった。朦朧とした記憶の中で覚えているのは、嘔吐物が妙に赤かったこと。そうか、赤ワインを飲んだからかと、血の海と化した床を呆然と眺めていた。
トイレから帰ってこない私を心配して同僚が見に来てくれたが、私が汚物にまみれている姿を見て、唖然としつつも、床をモップで拭いてくれるなど、甲斐甲斐しく働いてくれた。後から来た店員もすごく嫌そうな顔をしながらモップ拭きしていた。
私は何もできずに床にへたり込むだけで、反省しきり。手伝ってくれた同僚には今も頭が上がらない。
思い出したくもない黒歴史の一幕であった。
尾籠に近い話で失敗談としては面白いが、やはり他人やお店に迷惑がかかる行為は決して誉められるものではなく、決して真似して欲しくないと思う。暴飲暴食に限らず、何事も無茶をしでかす事は、いつか必ずしっぺ返しがくるという典型例なのだ。