今日の漢字368
今日の漢字は「超」。超越、超音波、超能力、超人、超特急、超満員、超党派。
「並外れて優れた」「程度がはなはだしい」という意味で使われる超であるが、女子高生のチョーは、いまや接頭語として当たり前に使われる言葉。チョーかわいい、チョーうざい、チョーキモい。全てにおいて、最高級、最高レベル、フルマックスの形容詞。それまでは「凄く可愛い」などの表現が一般的であった。北海道弁では「なまら」、広島弁では「ぶち」、大阪弁では「めっちゃ」。博多弁は「ばち」。
超は総じてプラス言葉だが、「超うざい」と、マイナスにも大きく振れる点が現代風である。
これが平安時代に遡って表現されているものがあると著書で述べているのが山口謠司氏(「自分一人で学び、極める」)
それは清少納言の枕草子。春は曙で始まる文章に「いとをかし」が頻繁に出てくる。
枕草子などの女流文学は、当時の女性たちが話していた内容からヒントを得て書かれたものが多い。「いとをかし」を今風に言えば、「チョー良くない?」とか、「春って明け方がいーよねー」など、現代の若者と同じニュアンスで言い合っているのだと同氏は指摘する。
清少納言は1000年前に、今の女子高生と同じように、宮中の女性たちと一緒にキャッキャッと喋りながら書いていたのだということが想像できる。
女性が流行を敏感に察知し、友人との会話で広げるだけでなく、清少納言は文章で、今の若者はラインやブログで世に広めていくという、今も昔も変わらない行動様式が見えてきて面白い。いつの世も、時代をリードするのは女性なのである。