笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字345

今日の漢字は「将」。将軍、大将、武将、将来、主将、女将、将校、菅田将暉平将門

    「一将功なりて万骨枯る」ということわざがある。
    一人の将軍の輝かしい功績の裏には、無名のまま戦場で犠牲となった一万人も兵の屍がさらされている。そこから、功績が目立つ人だけのものになって、陰で苦労して働いた人たちの努力が報われないこと。
    三國志劉備玄徳は、曹操との戦いで幾度となく死に直面したり、困難に会いながらも生き延び、蜀の王となったが、その陰には劉備のために戦った何十万人の兵士が屍となっている。それは織田信長もしかり、豊臣秀吉もしかり。
   一人の輝かしい成功の裏側には、多くの人々の魂の犠牲があるのである。
    これと似たようなことは、サラリーマンの世界にもある。


    私の会社の先輩が、退職の時に言った言葉が忘れられない。
    退職時に課長どまりであった先輩は私にこう言った。

「今の社長は俺の同期。入社した時は皆同じ境遇だったのに、最後にあいつは社長で俺は課長と雲泥の差だ。でもな、○○(私の名前)、これだけは言っておく。課長だろうと部長だろうと専務だろうと、社長以外は皆敗者。最後は皆社長に負ける。最後に勝つのは一人だけ。しかも社長は3~4年に一人しか出ないから、一人の勝者に数百人の敗者。どうせいずれは皆負けるのだから、それが課長で早いか、専務で遅いかの違いでしかない。所詮サラリーマンはそんな世界。自分を押し殺して出世競争にうつつを抜かすのは無駄の時間だしストレスの元凶。だから今からやりたいことを徹底的に見つけ、会社から離れても未練を残さないようにしておけ」。

と言い残して颯爽と去っていった。


    確かに先輩は、上役におべっかを使って出世しようという人ではなく、逆に後輩の面倒見が良く、慕われていた。不動産の知識を生かして宅建の勉強会を自ら主宰するなど精力的に活動。社外の人脈も豊富で、楽しそうに仕事をしていた。だから先輩の言葉は負け犬の遠吠えには全く聞こえなかった。


    その話が私の記憶に強烈に残っていたので、冒頭のことわざにとても似ていると感じた次第。


    サラリーマンでいると、偉くなりたい、威張りたい、人の上に立ちたいという欲望は誰にでもある。
    しかし、競争に負ければ即、敗者。ガックリ肩を落として会社を去るくらいなら、最初からそんなレールに乗らず、唯我独尊で過ごしたり、社外で人脈を広げたり、趣味を極める方法だってある。

   昔の武将と違い、大将のために人生を賭けて死ぬ一蓮托生という訳ではない。

   人生の目的は毎日を楽しく幸福に過ごすこと。目的を履き違えると毎日が窮屈で仕方がない。そんな生活はまっぴらごめんと、私も先輩のような生き方を目指したいと最近とみに感じている。

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田中将大は野球界の至宝。ぜひ戻ってきてほしい