今日の漢字343
今日の漢字は「劇」。劇団、劇場、演劇、劇薬、劇的。
昭和、平成の喜劇王志村けんが新型コロナウイルスに感染し、あっという間に亡くなってしまった。またひとり日本を代表するコメディアンを失った。ザ ドリフターズでは最年少の70歳。葬儀で加藤茶が「天国でまた5人で会って、天国にいる人々を笑わせようぜ」と弔辞を読んだ時には泣けてきた。まだまだ国民を楽しませてくれる類い稀なコメディアンであっただけに、至極残念。 ご冥福をお祈りしたい。
ドリフターズでは、お化け番組、「8時だよ!全員集合」で付き人から、荒井注の脱退の後を受けてメンバー入りしたが、私も当時、ライブで彼を見ていた。
最初はぎこちなく、大丈夫か、と思って見ていたが、その後笑いのツボをだんだん抑えはじめ、「東村山音頭」で一気にブレイク。一躍子供たちのハートをつかみ、加藤茶とともにドリフターズの黄金期を支えた。
今では普通に使われるじゃんけん時の「最初はグー」は志村が編み出したもの。その後も、ヒゲダンスやバカ殿、ギャグも「大丈夫だ~」「アイーン」など連発、ピン芸人となった後も万人から親しまれるキャラクターを演じ、国民的コメディアンとなった。
志村けんを知る関係者が追悼記事の中で、「トーク全盛のお笑いの時代にあって、コントや体を張って笑いをとる数少ない芸人であった」と回想していたが、その通りだと思う。トークよりも仕草や共演者との掛け合いの中で笑いを取れる芸人だったと思う。
癖のないキャラクターと、どこか憎めない雰囲気は、トークで笑わせるよりも、そこにいるだけで場の雰囲気が明るく楽しくさせるる存在であった。
追悼番組「志村どうぶつ園」でも相場、タカトシ、山瀬まみらが志村との思い出を語る時に号泣するのを見て、本当に共演者からも愛されていたのだと感じた。
希代という言葉が相応しい芸人。まさに巨星墜つであり、まだまだ我々を楽しませてくれたのにと思うと残念でならない。バカ殿の両目を中心に寄せてきょとんとした愛くるしい仕草が忘れられない。