笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字335

今日の漢字は「砕」。破砕、砕氷船、粉砕、砕石、粉骨砕身、当たって砕けろ。

    太平洋戦争で日本軍は、大義、名誉、忠義を重んじて潔くに国家のために死ぬこと、いわゆる玉砕を進めた。玉のように美しく砕け散るという美辞麗句を信じた兵士、一般国民は、お国のために命を捧げた。玉砕という無謀な戦いで日本国民の多くの尊い命が失われた。


    私の祖父の弟は19歳で戦争に召集され、沖縄戦で帰らぬ人となった。太平洋戦争で最後の激戦地となった沖縄でどのような最後を遂げたかは、今は亡き祖父があまり多くを語らなかったため、よくわかっていない。私も幼い頃、そのことを祖父に問うのも憚られた。戦争で肉親が儚く散ってしまったことを思い出したくない祖父の気持ちもわかるような気がしていた。

 

   私は数年前、戦没者の名前が刻まれた碑がある糸満市摩文仁の丘を訪れ、祖父の弟の名前を確認した。その名前を見た時、若くして日本のために戦った祖父の弟の姿を想像し、万感胸に迫る思いがあった。


   日本軍は本土決戦、一億総玉砕を掲げ、沖縄を捨て石とした。この愚かな歴史を日本人は決して忘れてはならないし、繰り返してはならない。しかしながら戦争を知る世代の人がだんだん亡くなり、後生に語れ継ぐ人が居なくなることにより、人々の記憶が風化していくことが心配である。


   大きな犠牲と代償を払った日本史上最悪の事件が、当時関係した人々全てにどのような影響を与えたか、日本国民、国家は学ばなければならない。愚かな歴史を繰り返さないためにも、国家や指導者が暴走しないよう、選挙という形で政治に参加し、きちんとチェックしていくのが、我々ひとりひとりに与えられた役割だと思う。

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当たって砕けた失恋は数知れず