今日の漢字329
今日の漢字は「津」。津市、大津市、津山市、摂津市、木更津市、魚津市、津々浦々、天津飯。
津軽と言えば太宰治、太宰治と言えば棟方志功とともに青森が生んだヒーロー。その太宰治の生家が五所川原市金木という所にある。
その金木に行くには、津軽鉄道という私鉄に乗って行くのがいい。
この津軽鉄道は、JR五能線の五所川原駅に隣接する、こじんまりした駅から出発。
ちなみにこの五所川原は、「俺ら東京さいくだ」の吉幾三の故郷でもあり、吉幾三記念館なるものがある。行ったことはないが何を展示しているのやら興味津々。
津軽鉄道は、地域住民の足というより、観光列車の意味合いが強く、小生が乗った春ののどかな週末の日、列車は半分以上が観光客で埋まっていた。
面白いのは、発車してすぐ、女性アテンダントによる津軽弁での観光案内が入ること。おはようごすの津軽弁での挨拶から始まり、津軽弁講座と途中車窓から見える津軽富士の岩木山や五所川原農業高校などローカル色の濃い案内も織り交ぜながら楽しく説明していく。
ちなみにこの津軽弁、
「せば」 は、じゃあまた。北海道弁の「したっけ」。
「わ」は 私。「な」は あなた。
「じょっぱり」は、意地っぱり。
観光客も興味深げに聞き入っている。とても訛っているのだが、説明しているお姉さんがかわいいので許す。
説明が終わると、今度は津軽鉄道グッズを車内販売で売りに来た。私はグッズではなく、お腹が空いていたので、太宰饅頭を購入した。なかなか商魂たくましいぜ津軽鉄道。
そうこうするうちに金木駅に到着。太宰治の生家、斜陽館は駅から10分ほど。住宅街を歩いていくと、古風な木造の豪邸が現れる。
太宰の父、津島源右衛門は地元の大地主でもあり、県議会議員や衆議院議員を勤めた名士。なので太宰もお坊ちゃんだったのだ。斜陽館はまさに豪邸で、部屋数も一体どれくらいあるのかと思うほど、大きな屋敷。ここで太宰治はすくすくと育ったのだ。太宰治の小説関連の展示もあり、勉強になった。
見学は小一時間ほどで終わる。金木は他に見るべき所がないので、あとは帰るしかない。桜の時期であれば、近くに芦野公園があるが、丁度訪ねた時は桜が咲く前の時期だったので、そそくさと帰ることに。再び金木駅に戻り、五所川原行きの電車を待つ。
帰りの電車は、行きの電車のエンタメ性とは裏腹、特に何もなく、普通のローカル列車に成り下がる。行くときには大勢いた観光客が何故か少なし。少し拍子抜けし、どっと疲れが出て、爆睡する中、あっという間に五所川原駅に着いてしまった。
この津軽鉄道、冬はストーブ列車が走ったり、たまに車内で津軽三味線のライブがあったりと、色々な企画で乗客を楽しませる。地方のローカル線で経営は大変だろうが、こういう私鉄会社が頑張っていると、応援したくなるとともに、何だか元気を与えてくれるような気がする。