笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字323

今日の漢字は「怒」。怒号、怒濤、嚇怒、激怒、憤怒、喜怒哀楽、疾風怒濤、鬼怒川温泉

    吉川英治三國志を通読中。10巻中ようやく8巻まで進んだ。文中でたまたまこういう表現を見つけた。

 「蜀の国の雷同が魏の国の張合に斬り殺されるのを見た蜀の張飛は、怒髪天をつき、馬を走らせて張合に迫った」とあった。

   「怒髪天をつく」とは、激しい怒りのため、逆立った髪が天を突き上げる様子のこと。

  例えて言えば、クレヨンしんちゃんのいたずらに対し、みさえが髪を逆立てて激怒するシーンと言えばわかりやすい。

   このシーンは、小生の高校時代で起きた。

   体育の授業で、グラウンドでサッカーの試合をしていた時のこと。体育担任のA先生は、用事があったのか、サッカー部の生徒に審判を頼み、一旦席を外した。

   試合は淡々と進んでいたが、ベンチにいた補欠のやんちゃ坊主が、傍らにあったサッカーボールを手に持っておもむろに走りだし、廻りにいた補欠数人を誘い、隣のサブグラウンドでラグビーのパス交換を始めた。

   それを咎める先生は居ないから、彼らはやりたい放題。サッカーの試合そっちのけでラグビーに興じていた。小生は丁度サッカーの試合中だったので、「先生に見つからないといいのに」と半ば呆れてその光景を見ていた。

    そこへA先生が帰ってきたからさあ大変。先生はラグビーをしている生徒をみて、怒髪天をつくかのごとく激怒。その生徒全員を集め、横一列に並ばせて正座させた。

  すると、先生から向かって左にいた生徒から順番に、ビンタのお仕置きが。サッカーをしていた我々は試合そっちのけで、なまら激しいビンタの仕置きに、呆然とその光景を眺めていた。

    生徒へのビンタなど、今やれば体罰で完全にアウトだが、昭和の時代はまだ許されていた。戦慄を覚えながらまばたきもせずみた光景は、今でも思いだせるほど強烈だった。

   この話にはおまけがあり、先生に罰で呼ばれたT君は、サッカーのベンチにいてラグビーはしていなかったのに、何を勘違いしたか、その列に加わり、罪もないのに正座をさせられて、ビンタを食らった。

   完全に冤罪なのだが、サッカーをしていた我々からすれば大爆笑もの。今でもクラス会では必ずこの話題になり、T君はいつもそれで茶化され、不味い酒を飲む羽目になるのであった。

f:id:laughing-egao:20200317201238j:plain

国会での怒号はみっともない