笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字318

今日の漢字は「夕」。夕方、夕飯、夕食、夕焼け、夕霧、夕日、七夕、夕刻、一朝一夕。

     夕方の北海道の情報番組の草分け的存在は、日本テレビ系列、札幌テレビ(STV)の「どさんこワイド」。1991年の放送開始。実はどさんこワイドがスタートする前の15時から17時の時間帯は各テレビ局とも力が入っておらず、ほとんどが再放送であった。小生は学校から帰ってきた時間帯に、「太陽にほえろ」や「水戸黄門」、「巨人の星」などの再放送を暇な祖父母とよく見ていたものだ。

   その頃は、各局とも18時台のローカルニュースのクオリティを競い、スポンサーもこの時間はよく付いた。それまでは、TBS系列の北海道放送HBC)が、報道のHBCを標榜し、業界をリード。視聴率も絶好調で、長い間トップを独走していた。

    それがどさんこワイドの登場で一変。15時から19時まで情報バラエティーと銘打って放送するという、金の鉱脈を掘り当てたSTVがそのジャンルを確立。STVはいつの間にか視聴率で道内トップの局に躍り出た。

    確かに昔の番組の再放送よりも、地域の情報、例えば温泉やグルメ、催し物が毎日バラエティー豊かに見られるとあって、ついついチャンネルをそこに合わせてしまう。料理研究家による料理一品コーナーも人気を博し、主婦を中心に、どさんこワイド知名度は瞬く間に広まった。

    そこで焦った盟主HBC。負けじと報道力で磨いた現場主義で硬派な話題も取りあげつつ反撃。しかし二番煎じの悲しさか、ビールのスーパードライ戦争と同様、他局が同じ中身で追随すればするほど、視聴者は「やっぱどさんこワイドが面白い」となった。

   どさんこワイドがもう30年近くその名を変えずに放送されているのに対し、他局は皆討ち死に。手を変え品を変えた企画でSTVとの差別化を模索するが、一度身に付いた視聴習慣はなかなか変わらない。

   STVはもう何年も視聴率で1位を独走中。他社の追随を許さないのは、系列の日本テレビの好調さもあるが、確実にどさんこワイドが稼ぎ頭として全体を引っ張っていると断言できる。

   ちなみに、どさんこワイドの好調さに触発され、全国各地のテレビ局がそのプラットフォームを真似。福岡放送の「めんたいワイド」は、どさんこワイドを丸のまま真似たところ大成功を収めた。福岡放送は、STVに足を向けて寝られないと、まことしやかに囁かれているそう。

   自らブルーオーシャンのビジネスモデルに着目し、それを一番先にやり、人々の耳目を集め、そして軌道に乗せるという作戦が、そのまま勝ち組に繋がるという「勝利の方程式」を、どさんこワイドは、具体例をもってまざまざと見せつけてくれた。

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朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり