笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字295

今日の漢字は「深」。深夜、深酒、深追い、深海魚、深川市深谷市深津絵里深田恭子井深大

  沢木耕太郎著「深夜特急」に嵌まったのは、かれこれ25年前になる。書籍は今は手元に無いが、当時貪るように読んでいたことを思い出す。東南アジア、インド、中東、地中海を経て最後はロンドンまで踏破する壮大な旅行記。単行本は3巻まであり、最も面白いところは香港でのカジノ。大小という中国式ゲームにのめり込む沢木の様子は、手に汗握る展開でシリーズの中で最も印象に残っている。

  この沢木の旅行記は、東南アジアなどを旅するバックパッカーのバイブルとなった。日本テレビ進ぬ!電波少年」で、お笑いコンビの猿岩石が、沢木が辿ったルートをヒッチハイクで旅するというコーナーが大人気となった。途中ミャンマーだかどこかで飛行機を乗り継いでいたことが判明し、全線ヒッチハイクではなかったことが後に批判を招いたが、売れない芸人の、演出無しの体当たりの旅は、世の若者の共感を得、猿岩石は大ブレイクした。

   小生としては、「深夜特急」のインパクトが強すぎて、それ以降、沢木の著作には触れていない。その代わりに、鉄道旅行の宮脇俊三、アジアのチープな旅を推奨する下川裕治、死の恐怖と闘いながらも無骨な姿勢で冒険記を著す角幡唯介の三氏を小生の中の御三家と勝手に決めて日々読んでいる。

   旅行記、旅のエッセイは、旅の疑似体験ができることと、現地の情景を想像して楽しめるところが良い。ユーチューブで簡単に現地の映像が楽しめる昨今ではがあるが、実際に現地に行ってその情景に触れた著者の息遣い、現地人との交流、肌で感じた想いなどを文章を通じて触れることが、旅行記を読む上での醍醐味だと思う。

f:id:laughing-egao:20200222113109j:plain

日テレ「深イイ話」が全然深いと思えないのは私だけか